アイドルを目指したわけ/オーディション受けるまで編
勉強することが好きじゃなくて試験なしの推薦で入れる高校を目指した結果。周りがちょっとやんちゃな子が多めの高校だった。
私の地域は小学校からそのままほぼ全員同じ中学にすすんでていたので、真っさらの状態から人間関係を構築するのは人生ではじめての経験だった。
とはいえコミュニケーション能力も低い方ではないし友だちも多い方だった。すぐ思い描いていた高校生活を送れると思っていた。
しかし!
この時すでにもうSNSは私たち高校生の必須ツールとなっていて、みんなもうTwitterで
「春から〇〇生〜♡」
とか言ってLINEのグループを作っていたのだ。
そんなこと全く知らなかった私は入学式のときからすでに孤立していた。
すでにちょっと尖っていた私は、「入学前から友達つくって何が楽しいんだよ。何でもかんでもSNSに頼るな」と頑なにラインのグループに参加しようとしなかった。
そんな私を見兼ねてある女の子が話しかけてくれた。その子は私が人生で出会った中で一番社交的と言っても過言ではない。初めて話した日に気が合いすぎて、雨の中のバス停で5本以上乗り過ごすくらい夢中で話したくらいだ。
その子と仲良くなったおかげでなんとかクラスに馴染めて文化祭体育祭と順調に過ごしていた。仲良くなったその子が体育祭のときに私のためにお弁当を作ってくれたりもした。
理想の高校生活を送っていた私に
2学期の半、唐突に勉強ブームが到来した。
授業聞いて色々暗記してテストで発揮することの楽しさに17歳で気づいた。周りが勉強が苦手な子が多かったのでちょっと勉強すれば学年で上位を取れたりすることが多くて成績も右肩上がりだった。
そうするともっと授業をちゃんと聞きたくなって、授業中にうるさい男子が気になるようになった。
この時期ビートボックスが流行ってて、彼は何を思ったのか授業中に必死にビートボックスの練習をしてたのだ。
授業中に、
先生が話してるにもかかわらず、
唾を撒き散らして。
私は何故か、カチンときてしまい
「ねえ迷惑なんだけど」
と彼に伝えた。
翌日から、誰も私と話してくれなくなった。
彼はクラスのボスだったらしい。クラスの中で私は浮いてる馴染めていない、だから無視しようと言って回っていたと聞いた。
私が教室に入ったら「お前はクラスで浮いてるからもう学校くるな団結できなくなる」と言われた。
全く謎だった。わたしはちょっと勉強を頑張りたかっただけなのに。
ビートボックスする彼に何か言われたことは全く傷付かなかった。ただ、気の合うあの子も話しかけてくれなくなったことが凄く悲しかった。
でも隣のクラスには友達もいたし、昼休みには事情を知ってずっと一緒にくれた。あとちょっと我慢したらあんな嫌なやつとはサヨナラだ。
そう言い聞かせて毎日を過ごしていたらあるニュースが目に止まった。
運命だと思った。
これを受けたら、合格したら、我慢だらけの毎日とはさよならだ。大好きな乃木坂46の妹グループ、絶対好きに決まってる。応募しよう、絶対受かる。そんな気がする。受かって、私を無視しようと言って回ったアイツを、見返すんだ。
募集要項に笑顔の写真とあったので迷わずこれを送った。
仲良くなったあの子が作ってくれたお弁当との記念写真。
今見たら垢抜けてないし前髪もぐちゃぐちゃだし変だけど絶対に受かる、そんな謎の自信があった。
つづく
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