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「ニューヨークでがんと生きる」を読んでみた

ブログなどを読んでいて時々出てくるのが「ニューヨークでがんと生きる」という千葉敦子さん(フリージャーナリスト)の本を読んでからしたいことの優先順位がはっきりしたという文言。これは一度だけではなく結構見かけるフレーズでした。千葉敦子さんというフリージャーナリストは1940年生まれで1987年にお亡くなりになるまで活躍されていました。大学卒業後は元新聞記者の方ですが、途中でハーバード大学の大学院に留学されたりしていてとても聡明で、文体はすこし厳しめという印象も受けましたが、とても現実主義で、今自分が一番何をしたいかということを理解している印象でした。

そんな千葉さんが、乳がんになってからしたいと思っていたニューヨークに住むということを実現し、どうやってフリージャーナリストながら住まいを決めたり、保険に入る時にどうしたかといった現実的な問題をサバサバと乗り越えていったり、その都度その都度降りかかる問題にも対応していくという素敵な本でした。闘病の様子も描かれています。アメリカは患者さんの意思をとても尊重する国だということと、手術や闘病にお金が随分とかかるものなのだなという印象を持ちました。

その中でももしあと10年先まで生きられたら何がしたいか、ですとか、もし2年先だったら、なにがしたいかというのを書いていくという部分があってまだ書き記してはいないのですが、わたしもどうなんだろう?と思いました。「優先順位」などとは言われるものの、なかなか優先順位って決めがたいものがあるなと思うのです。

ヨーガをし始めてからというのか、アルタ・カーマ(いわゆるお金が欲しいとか現世的な喜びといった感じかな?)の欲望に執着が少しずつ薄れていくと、じゃあ一体何が本当にしたいのか?ということがほんの少しぼんやりとしてきていて、もちろんダルマを守るということはとても大事なのですがそれでも「やりたいことがわからない」というのとは違うだろうし、などと思うことも嘘ではありません。

やりたいことをあげて優先順位を決めていく

でも、2年しか生きられないとしたらどうするのだろう?とちょっと考えると、こんなご時世でなんですがもしかしたら旅ということになるのかな。それも世界旅というか。目の前のことに満足することはあるけれども、世の中をそこまで知っているわけではないし、それこそニューヨークだって一回しか行ったことがないし、見たことのない景色って数限りなくあるだろうし迷うところです。昔から為にならないことばかりが好きで、どうしてもためにならないことや役に立たないことが大好きなので、しだいにそこが狭まっていくことに寂しさを感じるのですが、余白の部分を生きることを許される人生であるといいなと願っています。

千葉敦子さんの本は他にもたくさんあるので、ちょっと時間を見つけて読み続けてみたいなと思っています。


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