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子供を確実に不幸にする方法
我が家は、1人っ子で夫婦それぞれの姉妹には子供がいないので、娘はたった1人の子孫、ワタシは我が家の子を〔最期の末裔〕と呼んでいる。子供が小さいときはそれを可哀想に思い、姉妹を望んだりしたが恵まれなかったので今はそれが運命と思って受け入れている。そもそも、大なり小なり命を自分の思うようにコントロールしようとすること自体が間違えていたなと思う。
さて、その我が家の最期の末裔は 故に財布も台所も沢山持っている事にもなる。だから常々、与えすぎないように、しかし、気は満ちるように細心の注意を払ってきたつもりだ。けれどやはり、檻に閉じ込めて育てでもしない限り、与えてあげたい という人様の暖かい気持ちをワタシがコントロールすることだっておこがましい。
だから、ワタシ以外の 夫やら祖父母やらなにらなにまではヒト様の裁量に委ねてきた。
すると、ママはケチンボ だったり、イジワル だったりいわれたりもしたもんだ。そりゃそうだ、飴玉一つ買って欲しいというリクエストにも それは長い長い講釈をくだしてきて、考えさせてきたから面倒で我慢したりもしただろう。
気は満たすけれど、手も物も与えすぎないよう我慢してきた。
それは結構難しいことだった。泣き叫ぶ子供には買い与えた方が楽だったし、危ない事やモノは排除してしまった方が楽だった。テレビに子守をさせた方が断然楽だったし、よちよちしている子をベビーカーに乗せてさっさと用を足した方が楽だった。それでは気が満ちなかろうと、欲しくなるような場所には行かなかったし、危なくないように見守り続けたし、テレビに子守はさせなかったし、良く歩いて結局用が足せない日々だった。また、そうやって気が満ちる顔を見るのがとても好きでもあった。だから、大変だなぁと思う時もあったけど 気で満ちた顔が見たくて 我慢 したものだった。
11歳になった我が子が、先日ミカンを食べながら
「この家の子に産まれてきて良かったなぁ」とつぶやいた。死ぬまでに聞けたら嬉しいなぁとは思っていたけれど、よもやこんなに早くこの言葉を頂戴出来るとは思わなかったから、ワタシはうっかり死んでしまうのではなかろうかと心配になった。
そろそろ手も離れて、次は目も離れる頃だ。気を向ける努力を怠らないようにしないとなぁ。
子供を不幸にする1番確実な方法はいつでも何でも手に入るようにしてやることだ。
〜ルソー〜
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