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生きづらい兄は、姪を抱っこしかできない

どうも、まゆみっこです。

私には1人の兄がいるのですが、長年暮らしてきて、兄はなんだか生きづらそうだという印象が強い。

おっちょこちょいでは済まされないしくじり(瀕死の事故とか)を過去何回かやらかしてるし、興味のないことは著しくスペックが下がる。なので、診断したら、それなりの結果が出るんじゃないかと思っている。


でも、とっても温厚で、人を傷つけることなんてしない、超平和主義の兄。だから子どもの頃から一緒にいて幸せだった。

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激しくおっちょこちょいな兄が子育てしたら、どうなったか。今日はそんな兄と私の娘の話です。


里帰り出産をした私。入院中、父・母・兄は仕事をしながら、どう1歳息子の相手をするのか。

息子が1歳になりたての頃、娘の里帰り出産で実家に帰省した私。

一方で、父・母・兄は自営業で、自宅兼クリニックをバタバタと往復する日々。私が入院中は、誰がどう息子の面倒みるの・・・?

母:大丈夫よぉ~!何かあったらお兄ちゃんが見てくれるから!
兄:・・・おれが・・・?

大丈夫かな・・。いや、大丈夫じゃない!

皮肉なことに、特に父と母が一番忙しい16:00~20:00に、兄が息子と一緒にお風呂にいれる難易度の高い役割を担った。まずは、溺れさせないようちゃんと見といてほしい・・・!

というわけで、私は、お風呂に入れる手順書を綿密に書いて、お風呂の前にテープで張っておいた。そして説明も丁寧にした。これで大丈夫だから、お兄ちゃん!頼んだ!!


兄へ作ったお風呂を入れる手順書は、一度も使われることがなかった

そして娘が生まれて、退院して、娘と一緒に我が家に戻ってきた私。

私:どうだった?お風呂ちゃんと入れられた?
兄:うん、まあね。
母:・・・あんた、一度も結局入れなかったじゃない・・・。
兄:うん、まあね・・。
私:は?どゆこと?
兄:・・だって、怖いんだもん・・。事故とかさ。

そんなわけで、たった1週間のミッションのお風呂にいれることも、やらなかった兄だったのだ(息子のお風呂は母が片手間に入れたそう)。

でも、実は結構正しくて、兄は自分の自信のないものには一切手を出さない。車の運転も父が口酸っぱくやれやれと言うものの、一切やらない。注意力散漫なことを知っているし、何より事故が怖いから。

兄は無茶なタスクはやらない。恐怖という体感で自己管理をしている。

まぁ、仕方がないか・・。


娘が生まれてから、みんなの手が埋まっている時は、兄が抱っこをするように

それから退院して、父・母・兄・私も・息子・娘の毎日の朝晩はこんな感じになった。

父:仕事の準備
母:ゴハンの支度&仕事の準備&犬の面倒
私:1歳息子のゴハンの介助&娘のパイパイ

というわけで、娘が寝ぐずりして、みんなが手一杯だと、兄が抱っこ役を承ったのだった。

最初は抱っこすら嫌な様子だったけど、いいから!!!と母と私に迫られて抱っこをする兄。

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お互い見つめあって静かに抱っこをする兄

ところで、赤ちゃんの抱っこほど、退屈なものはない。寝かしつけに失敗すると、ざらに1時間抱っこする羽目になる。

そんな中、普通の大人だったらテレビを見ながら、スマホを見ながら、なにかしらながらで抱っこをしてしまう。

でも、不器用な兄は違った。

「ちーちゃん。ちーちゃん・・・」

と、静かに目を見て、抱っこだけをしている。娘も生まれた時からお姫様気質なのか、ながらで相手されると絶対に嫌がり泣き止まないので、この兄の抱っこスタイルは気に入ったようだった。

娘は泣き止み、両者、静かに見つめあっている。私の母が抱っこするものなら、激しい形相でギャン泣きをして、必ず兄に代わってもらい、泣き止むようになるほどだった。

兄、すごいよ・・・!これが信頼関係か・・!

純粋に心打たれた瞬間だった。こんなにも抱っこを丁寧にする兄。


抱っこするだけでも、こんなに辛いなんて

そうして兄はよく抱っこをしていたのですが、

あー・・マジ腕が腱鞘炎になるな、これ。
腰痛い・・。あーほんと腰痛い・・。

とぼやくようになった。
いや分かるよ!それほんとに!

それでも、娘が泣き出すと、自分が食べているゴハン中でも、箸をすぐ置いて、どうしたどうした?と抱っこをしにいく兄だった。まるでその様子は雛鳥と親鳥のよう。

そんな信頼関係ができたおかげで、すっかり今でも娘は兄が大好き。

にいに、にいに。

と、くっついては、ぎゅっとしにいく。

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兄が配偶者なら多分許せなかった

こんな抱っこひとつで感激した私ですが、兄のようなタイプが配偶者だったら、心底許せなかったと思う。

だって、抱っこ以外は何も出来ないんだもの。オムツだって、ミルクをつくることだって、沐浴だって、きっと出来ないかもしれなくて、その負担を私が背負って、当時以上の般若な私が出来上がっていただろう。

でも、兄という存在だったから、許せた。

多分、これが育児をするうえで重要なポイントで、育児はワンオペとかツーオペでやるもんなんじゃない。数が多くて分担すれば、心身のストレスが緩和されるんだろう。

その証拠に、ツーオペ体制で兄の何倍も手を動かして、家事育児をこなす夫にでさえ、物足りなさを感じてしまっていた。(いつも、どうして私ばかりという気持ちを拭えずにいた)

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まとめ:育児のアクターが多いほどよい。

今やツーオペでも十分無理があるのに、ワンオペでやりくりしているママ・パパは本当にえげつないほど大変だと思う。

特に1歳までの育児のアクターの多さと分担は、かなり重要です。分担ができないと、子どもにとってもリスク。自動虐待死の被害が一番多いのは0歳児と聞く。加えて、多児をもつ家庭はさらにリスクが上がるそう。

皆が幸せに、子どもが健やかに・祝福とともに生きられる世の中って、何があったら出来るんだろう。

でもひとまず、この場は、兄への深い感謝を。沢山抱っこしてくれて、可愛がってくれて本当に有難う。

兄は変わらず、私の大好きな優しいにいにです。

まゆみっこでした。

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