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会計freeeの摘要欄・タグを理解しよう #freee塾

「会計の知識がなくてもカンタン!」「誰でも青色申告できる!」そんな謳い文句のクラウド会計ソフト。

使い始めの方が最初につまずくポイントの一つに、入力時の「摘要欄」に何を書くべきか?ということがあるのではないでしょうか。

特にfreeeは、摘要欄は様々なタグ、備考欄、取引内容に分かれているので、どこに何を書いていいのか戸惑われる方が大多数です。

このnoteでは、freeeを利用している場合を想定した「摘要欄」の書き方について解説していきます。


そもそも摘要欄とは?

摘要欄とは、総勘定元帳の「摘要」のことです。

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freeeの取引登録画面で見ると、取引先、品目・部門・メモタグ・備考が、総勘定元帳の摘要欄に記載されます。

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また、インターネットバンクやクレジットカードをfreeeと同期している場合、銀行やカード明細の摘要欄は「取引内容」としてfreeeに取り込まれます。

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取引登録後は、「取引内容」も総勘定元帳の摘要として記載させることができます。

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総勘定元帳とは?なぜ必要か?

そもそも、総勘定元帳ってなんでしょうか。wikipediaさんは、下記のように解説してくれています。

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総勘定元帳は、簡単に言うと、青色申告者が記録し、備え付けるべき!と法律で決まっている「帳簿書類」の一つです。

青色申告法人と帳簿については、法人税法と法人税法施行令に、下記のように規定されています。

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帳簿には、現金出納帳や売上台帳、固定資産台帳など様々なものがあり、会社によっては作成していないものもありますが、総勘定元帳は、どの会社も必ず作成が必要です。税務調査の際も、調査官は総勘定元帳をチェックします。

このようにかなり重要な総勘定元帳ですが、freeeなどの会計ソフトを使って記帳していれば、総勘定元帳は基本的に自動作成されます。

ただ自動作成されるのと、記載内容が正しいかどうかはまた別の話です(笑)

青色申告は色々と特典のある制度ですので、その恩恵を受けるためにはきちんと整理して複式簿記で日々の取引を仕訳で帳簿付けする必要があるのです。その「整理」方法の一つとして、摘要欄があります。


摘要欄には何を、どうやって書くべきか?

摘要欄に書くべき内容は、厳密には、会社が消費税の課税事業者で、かつ、仕入れ税額控除の適用を受けるのかによって微妙に異なります。

ただ、弊事務所のお客様には、管理・分析をスムーズに行う目的から、統一して、以下の内容は必ず記載いただくようお願いしています。

①取引の相手方の氏名又は名称
②取引の内容

では、freeeでは、①、②を取引先/品目/メモタグ/備考欄/取引内容のどこに記載すればよいのでしょうか。

弊事務所では、
①取引の相手方の氏名又は名称:取引先/メモタグ/備考欄/取引内容 いずれか
②取引の内容:品目/備考欄 いずれかとしています。

運用上のルールがいくつかありますので、紹介していきます。



ポイント①内訳別の残高管理が必要な科目は、「取引先」か「品目」をつける

freeeでは、は基本的に「レポート」内の「試算表」と「月次推移」を使って財務分析を行います。これらのレポートで、「取引先」「品目」「部門」は、試算表と月次推移で内訳別に表示することができます。一方、メモタグ/備考は内訳別表示ができないのです。よって、勘定科目の中で、取引の内訳を分析したいものは、freeeでは「取引先」や「品目」を付与するのがおすすめです。(支店別や事業別の管理をしたい方は「部門」をつけましょう)

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ここで、相手先別に管理する必要のない科目には、「取引先」を付与しないこともポイントです。例えば、コンビニでの消耗品購入やカフェでの会議費、飲食店での接待飲食費について、経費支払の相手先は、セブンイレブンやローソン、スターバックスやマクドナルド、居酒屋〇〇、バー〇〇などになると思います。これらの支払相手先について、本当に内訳残高を管理する必要があるのでしょうか?ほとんどのケースでは不要と考えます。

このような場合、相手先が頻繁に出てくるものであればメモタグを利用し、単発のものは備考欄を使うのがおすすめです。

また、上述の通り、クレジットカード等の明細を同期で取り込んでいるときは、支払の相手先が「取引内容」で取り込まれていることがほとんどですので、わざわざ相手先をメモタグや備考欄に書く必要もないと考えます。

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ポイント②勘定科目内訳明細書に記載する科目は「取引先」で管理

決算書類として税務署や金融機関に提出する「勘定科目内訳明細書」には、勘定科目の内訳を相手先別に記載する必要があります。よって、「勘定科目内訳明細書」に記載すべき科目については、取引先タグで取引先別の内訳管理が必要です。

ちなみに、勘定科目内訳明細書に記載すべき科目は

・貸借対照表科目→基本的にすべて。売掛金、前払金、前払費用、買掛金、未払金、借入金、前受金など

・損益計算書科目→一部科目のみ。地代家賃、賃借料、雑収入

という感じです。

勘定科目内訳明細書ってなに?という方はこちらもご参照ください。

https://keiriplus.jp/tips/kanjyoukamokuuchiwakemeisaisyo-kihon/



ポイント③「品目」は、細かくとりすぎず「ざっくり」つける

品目には、基本的にその取引の内容を記載いただきますが、あまり細かく分けすぎると分析がしづらくなり、管理が煩雑になります。カテゴリごとに、ざっくり・大きく分類して品目をつけるのがおすすめです。

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分類には、その取引の性質のほか、消費税対象かどうか(国外・国内取引など)も重要です。

細かい分類方法は、運用しつつ整理していけば良いので、まずは、あまりこまかく分けすぎないことを意識するのがおすすめです。


ポイント④メモタグの活用

取引先や品目は一行に対し一つまでしか付与できないのに対し、メモタグは無制限に付与することができます。メモタグのこの自由さが、freeeの価値の一つであるとも言えます。

案件・プロジェクトごとの原価管理・損益分析に
試算表、月次推移はメモタグでの集計が可能です。案件・プロジェクトごとにメモタグを付与して記帳しておくことで、原価管理・損益分析などの応用的な分析もできます。


付箋代わり・備忘録に
メモタグは1取引に複数付与ができるため、以下のようにも活用できます。
・後日再確認したい仕訳に「要確認」とつけて備忘録代わりに
・未決済取引を一括で消込む際、メモタグを目印で付与し、ソート代わりに
・買掛金・未払金登録時にメモタグで「総合振込」と付与し、振込すべき取引を効率的に抽出


【勘定科目ごと】freeeタグの付与例

「取引の内容」と「取引の相手先」を、PLの勘定科目ごとにどのタグで付与すべきかをまとめました。なお、BSは取引先タグをつける前提です。

(スモールビジネス向けの事例であり、管理会計を導入しているような中堅規模以上の会社向けではありませんので、ご留意ください)

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品目は、基本的にはどの科目にも付与しましょう。こまかくとりすぎず、ざっくりとした粒度で付与するのがおすすめです。こまかな補足事項は備考欄に記載するようにしましょう。



いかでしたか?自由度が高く便利なfreeeの摘要欄・タグですが、使い方を間違えると管理が煩雑となり、気がついたらぐちゃぐちゃに・・・ということも。

スタートからしっかりと運用ルールを決めることで、より効率的にfreeeを利用することができます。


#freee塾 塾長のnoteもおすすめです!


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