見出し画像

5代目金田一少年の事件簿は「ゆるいお調子者」の原点に返ろうとしていて良き

5代目金田一一!!みっちーの金田一、第1話個人的にわりとよかったので早速noteに書いてみる。

以下ネタバレあり。


<つらつら感想>

〇過去のシリーズでは思春期の出方が激しいはじめちゃんがフューチャーされがちだったところを無理に押し出さず、「お調子者」というポジションにしたのがうまいな、と思う。「とても顔のきれいなお調子者キャラ」というのが果たしてはじめちゃんか、という議論は置きそうだけど、私はよく話題に上がる「堂本剛」版初代金田一は「すけべ」より「ゆるさ」が肝だったと思っているので、むしろこの無理をさせない感じは好ましかった。これについてはあとで後述していこうと思う。

〇佐木くん、ゴーストライターとして書いた作品があんなに売れるなんて。才能めちゃめちゃありすぎでは。言っていいよ佐木くん!!細田佳央太が佐々木大光に見えて仕方なかった。大光が大昇いじめてるようにしか見えなかった。(ただのジャニーズJr.的仲良し話)

〇相変わらず不動高校、相変わらずよく人が亡くなる。原作だとこれのほかにも犯人も被害者も出しまくっていろいろあるし、現実だったら問題高校として人気も下がるし定員も割れそうだけど、それなりに資金のありそうな感じのよい学校になっているのがもうフィクション。今回のドラマシリーズで銀幕の殺人鬼(スコーピオン)とかやったらまた高校で人が殺したり殺されたりがあるからちょっとやめてあげてほしい。不動高校は瀕死です。
あとは3人襲われるという異常事態があってちゃんと休校描写があるのが現代だなぁと…。当たり前なんだけど、過去のドラマや漫画では普通に学校あったんじゃなかろうか。

〇解決編の鏡を隠す放課後の魔術師がコミカル。非常にコミカル。おもしろすぎる。

〇6人の作業員が亡くなる理由、原作ではたしか非人道的な人体実験であったものが有毒ガスの事故になっているのは、非常に現代的な改変だなぁ、と。コンプライアンス大事。6不思議もたしか物理の先生が作ったんじゃなかったっけ。偶然みたいな話になってるけど。

◯オッサン、最初から協力的過ぎて。え、知ってた?はじめちゃんのこと知ってたの?オッサンじゃないし。沢村一樹オッサンとは呼べないよ!「また今度」とか言ってるあたり、もしかしたら君は高遠瑶一の変装なのか(そんなわけない)


<5代目の上手なキャラクター付けについて>

今回の5代目に際して各金田一ドラマが視聴する機会が増えた。すべて見直したわけじゃないけど、堂本剛版金田一(タロット山荘殺人事件)は見た。
こう見ると、堂本剛の初代金田一って、今抱かれている印象ほど「演技がうまい!!」っていうわけじゃないけど、緩急が抜群にうまいんだなと感じた。この「ほどよいゆるさ」が出せるのは多分演技うんぬん以上の「堂本剛」が培ってきたものなのではないかと思う。ちょっとしたコミカルさやはじめちゃんの年相応のスケベさを表に全体的に出す感じは、きっと当時の学生らしさだったのだろうし、「等身大」を上手に捉えていた。当時の高校生を知らないから何とも言えないけど。でも、堂本剛って「等身大」の権化みたいな感じは正直あると思っている。

話を戻して、はじめちゃんはいわゆる「スケベ発言」をよくするし、そういう描写は多い。この原作者の別の漫画である「探偵学園Q」のちょっとした小ネタでもその路線の描写はあることがあるので、多分それが作風なのだと思うし、いまほどいろんなことが厳しくなかった時代は、多分そういうものがもっと日常的にオープンにあったのだろう。

だから、はじめちゃんのあの「スケベ描写」は、思うに、「当時のお調子者」の表出だったのだと思う。根底にあるのは年相応のそれで、非常にそれをオープンにするタイプで、そのオープンさが「お調子者」ゆえに人並み以上に出てくる。だからはじめちゃんがはじめちゃんたる所以は、「人並み以上にスケベ」というよりも、「"人並み以上にお調子者"としてふるまう」ところなのだと思っている。

これまでのドラマでは「普段のはじめちゃんはスケベ」に焦点が当てられていて、そのスケベさの現れ方が「女好き」であったり「むっつり」であったり「全開バカ」であったりしたけれど、今回自分のテストで火を起こしてじゃがいもをふかす道枝金田一は、「はじめちゃんはお調子者」という描写に根付いていて私はとてもいいと思った。

なにより、無理がなくていい。本来ゆるさパートのはずの「スケベ」パートにがんばりが見えると結局力が入って緩急になりにくいのだと、私はある代の金田一で学んだ。もうなんか、「がんばれ!」って気持ちになっていた。推理パートや事件パートがむしろ緩んで見れていたから、緩急は逆である。なんかいろいろ気になったもん。あの時。


これからいろんな意見が出てくるだろうし、「そのタイミングでの『犯人はこのなかにいる』は台詞として不要すぎるだろう」「それ入れたいならそこまで推理言わせちゃだめだろ」とつっこみたいところがあったし、演技に関しても思うところはいろんな面であった。剣持のオッサンがシンプルに沢村一樹だったし、美雪は美雪というより上白石萌歌だったし。みっちーにも思うところはあった。

あったけど、トータルで見たら「あぁ、大事に作られているシリーズだな」と思え、次からも楽しみに視聴できそうな良き第1話だった。

がんばれ5代目!




この記事が参加している募集

#テレビドラマ感想文

21,514件

よろしければサポートお願いします!いただいたサポートは、誰かに「らびゅ~♡」で還元します。人間的におもしろくなりたい。Twitterもやってます。