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「赤ずきん、旅の途中で死体と出会う」を読んで



雑多な感想と書評(というほどのものでもない)

この物語は、誰もが知っている童話をベースにしたミステリ作品で、これまた誰もが知ってる赤ずきんが、事件を解決しながら目的地を目指して旅をする‥という物語です。

各章は読み切りですが、一冊を通して一つのお話になっていて、とても読み進めやすいです。
こういうスタイルを、連作短編というそうです。解説を読んで学びました。(赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。P332「解説」)




赤ずきんは頭がいいなぁ、そもそも、頭の回転が悪ければ、オオカミに食べられておしまいだものね、とも( ̄▽ ̄)
頭の回転が良い人が、私の憧れです。




最終章の「少女よ、野望のマッチを灯せ」だけは、赤ずきんの旅の終わりというのもあってか、どこか重たい空気が流れますが、他の3つのお話は比較的気楽に読めると思います。
でも、小説を読みながら考え込みたいタイプの人は、最終章がきにいるかなぁ‥という気もする。

さて、個人的には悩み深い30歳独身喪女なので、読みながら色んなことを考えました。
マッチ売りの少女のエレンがお金に取り憑かれて転落していく様子(簡単に言うと)、特に彼女の心境が描かれる場面はよんでいて、胸が痛くなります。
視点が赤ずきんからエレンに変わる場面はそう多くはないけれど、彼女の内面を見せられると、麻薬のようなマッチをなぜ彼女が売り続けたのか、どんどん売っていくのか、野望とはなんなのか‥‥本当の夢とは幸せはどこにあるのか‥‥考えました。

もちろん、わたしは転落しようにももう上がる術など無いし、お金はないまま。大人になって身の程をしれば、エレンのように相続したマッチ工場を発展させていく経営になんて挑戦しようとも思わないだろうな。

エレンほどひどい環境でもなければ、私が限界OLなのは正真正銘の自己責任なんだけど、そんな私は何を幸せと思い、夢をもって生きていけばいいのだろう。お金がない私は、どんな夢ならみじめじゃないの?見てもいいの?と思いました。

それにしても、エレンは完成したすべてのマッチに手を触れていたのだろうな‥‥まめだな‥‥

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