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『残るは食欲』阿川佐和子

阿川さんのあの軽妙な語り口そのまんまの食にまつわるエッセイ集。幼少時代の思い出の味を懐かしんだり、冷蔵庫にある残り物を駆使してひとり楽しみながら食事をこしらえたり、時には周りにお裾分けしながら空腹を満たす。しかし満腹になることが重要なのではなく、お腹がからっぽの状態で「さあ美味しいものを食べるぞ」と心躍らせる瞬間が何事にも代え難い幸福な時間なのだ。冒頭の湯豆腐の話がとても好き。それぞれのエピソードが短くて読みやすい。おすすめ。

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