スキトオル

番外編「スキトオル」

2013年夏

放課後


ソ ラ:今日お前のせいで漢字テスト1問間違えた。

トオル:俺何もしてねーよ?

ソ ラ:「スキトオル」を“空透”って書いちまった。

トオル:ははははは。なるほど。確かに俺のせいだわ。

ソ ラ:透=トオルだと思ってるからさ。スキトオルのトオルのほうだと思って。そしたら空しか思いつかなくて。

トオル:そういえばさ、俺も駐車場で“空”って表示してあんのソラって読んじまった。

ソ ラ:ははは

トオル:ソラって読むとなんかいい名前だけど、カラって意味だと思うと変な名前だな。

ソ ラ:お前だって透明なんだから空っぽみたいなもんだろ?

トオル:確かに。やっぱ、俺たち似てるな。

ソ ラ:だな。


ソ ラ:あ、そーいえば…やっぱいいわ

トオル:なんだよ、気になるだろ?

ソ ラ:スケルトンて俺ずっと透けてるって意味だと思ってた

トオル:skeletonって骨組みって意味だよな。

ソ ラ:だって、「透けとるん」みたいな?

トオル:ははは、 関西弁なっとるで。


たまたま通りかかった新任教師のマコトは2人の会話を聞いて安心した。

「なーんだ、天才児って周りが囃し立ててもやっぱり中身はただの中学生ね」

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