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番外編「夜明」

2015年9月
ソラたちが青空を取り戻した後の話


「マヤっていつもコーヒー飲んでるよね。コーヒー飲んでなんかいいことあんの?」

「あるよ。」

「何?」

「…眠気が収まる。」

「それだけ?」

「…便秘になりづらい」

「まじで?!便秘に効くとか…私も飲もうかなー。それってミルクと砂糖入れても問題無いの?」

「コーヒーに含まれるカフェインの効果だから問題は無いけど。…むしろカフェインは摂取しすぎると胃によくないから、乳製品と摂取したほうがいいかも。」

「マヤってなんでそんなことにくわしいの?」

「常識だと思うけど?」

「また始まったー。マヤの人を見下す態度。やなかんじー」

「一応、医者を目指してたから…」

「目指してたってことは今は目指してないの?」

「…」

「言いたくないならいいけどさー」

「怖くなっちゃったの・・・医者って人の命を救う仕事だと思っていたけど、大切に思っていた人はいつの間にか死んでいて、こんな知識何の役にも立たなかった。いつしか人に優劣をつけている自分に気づいた。」

「そんなの当たり前じゃん!大事な人だから死んだら悲しいんじゃん!知らない人にまで同情してたら心持たないって。」

「…」

「そーいえばさ」

「ん?」

「なんでマヤは地上に戻らなかったの?」

「…私が居なくなったら、アカリが・・・じゃなくてメイが寂しがると思って」

「わかった!マヤの法則!」

「法則?」

「マヤってたまにキツイこと言うけどさ、それって全部自分に向けて言ってるんだよね?」

「…」

「だからよーするに、私が居なくなったらマヤが寂しいってことだ!」

「…そうかも」

2人はどちらともなく笑った。
笑い声が明るい光をまとっていつまでも2人を照らした。




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