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【お題:入浴委譲】入浴委譲状にサインした友人

「なぁ、代わりに風呂に入ってくれないか?」
「どうしたんだ、急に」
「いや、実はさ。この書類にサインしちゃって」
「なにこれ……にゅ、入浴委任状?! 聞いたことないぞ?!」
「いや、役所を名乗る男が一生入浴する権利を誰かに譲る代わりに一億あげるよって言われてさ」
「それでサインしたのか。馬鹿だな。絶対に嘘に決まってるよ」
「それが本当に届いたんだよ、一億」
「はぁ? 偽物だろ」
「いや、本物だった」
「おいおい、なんだよそれ。絶対にヤバイ奴じゃん。すぐに消費生活センターに連絡してクーリングオフしてもらいな」
「いや、その……」
「まさか使ったのか?」
「うん。競馬に全額して負けた」
「お前、本当に馬鹿だな。どうするんだよ、一生風呂に入れないんだぞ」
「抜け道があるんだな、これが」
「はぁ?」
「お風呂に入れなくても、シャワーで髪や身体は洗う事ができるんだ」
「なるほどね。じゃあ、なぜ競馬に注ぎ込んじゃったんだ、お前」

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