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夢の宝箱にそっと蓋をして

諦めた夢がある。
自分で諦めた夢。

憧れて、夢見て、絶対になると決めた子供の頃。
志ばかり高く、夢見て大学まで行って、諦めた。

同期には夢を叶えた人もいて、今でもその活躍が耳に入る。あの子と私の違いはなんなのか、ふと考えてしまう夜がある。

私が諦めてしまったから。
たくさんの言い訳をして、たくさんのことを捨てて、たくさん目を背けて、そして自分から「無理だ」と決めつけて諦めた。

今からでも遅くないよ!と言ってくれる人はいるけれど、その人は私の人生に責任取ってはくれない。
今の全てを捨てて新しい環境に飛び込む勇気も、度胸も、どこかに忘れてきてしまった。
だから私は蓋をする。
子供の頃のまま、キラキラ宝石のように輝いている『夢』の塊を、後悔と諦めの真綿で包んで、そっと宝箱の底に沈める。誰にも触れられないように、自分自身でも触れられないように、頑丈な鍵をかけて、明日からも忘れたふりをする。

それが1番、自分を傷つけずに済む方法だと学んだから。勇気のない私を、私自身が守るための手段だから。

大丈夫、私は忘れられる。
だから今日だけは、塊を抱えて、後悔の海を浮かびながら、後ろ髪を引かれ続けるの。
今日だけ、今日だけ。

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