海街diaryと梅酒。もうすぐ夏が来る。
是枝監督の「海街diary」。英題は「Our Little Sister」。
映像サブスクで公開されていたので、久しぶりに観返した。
公開された当時、わたしはこの映画をかつての親友と観に行った。
2015年に映画館で撮った写真。画素数が荒い。
映画の中で大好きなシーンの一つに、梅酒を仕込む場面がある。冬に梅酒を飲んで広瀬すず演じる・すずが酔っ払うとこ、庭の立派な梅の木から実を取り、ひとつずつヘタを取って穴をプスっと開けるとこ、幸とすずが出来上がった梅ジュースを飲むとこ、幸が自分たちを捨てた母親に祖母が漬けた最後の梅酒を渡すとこ。
当時ガラス食器のメーカーで梅瓶を扱うと決まっていた23歳のわたしは、来年は梅を漬けようと心に決めた。その時漬けたのがこれ。
2016年6月12日撮影。ブランデーで漬けた。
こないだ父が飲んで「うまい!」と言っていた。これからもっと熟していくんじゃないかな。そして、今年は庭師の弟が大量に梅を持って帰ってくれたので10キロ仕込んだ。梅酒と梅ジュース。
庭で仕込んでいる様子
梅酒を漬けるのは、未来をつくることと似ている。ひとつずつ丁寧に世話をした梅は、数ヶ月後・数年後に思い出と一緒においしい時間を作ってくれる。もしかしたら、悲しいときに飲んで「あの日はいい天気だったな〜」と思うかもしれないし、仕込みながら考えていたことをふと思い出すかもしれない。
海街diaryを観て、みんなの記憶に残るシーンってなんなんだろう。きっと違うよね。いつか映画好きな友人たちに聞いてみたい。
日に日に暑くなり、梅と一緒に漬けた氷砂糖は溶けていき、夏へのカウントダウンが始まる。ため息をついてしまうようなことも沢山あるけど、今歩いている道の先に居心地の良い場所があったらいいな。そう願って、わたしは今日も生きていく。