検査を受けた話

 午前4時25分、寝るのを半ば諦めて文章を書き始める事にした。不特定多数に事実を淡々と述べるのは裸になるような気分になる。ただ出来事だけは書きたいので高度に暗号化した。見知らぬ漢のとある日のエピソードを想像してくれたら幸いである。ヒントは題名に記した。

数日前に大きな用事があり、強度の高い一日を過ごした。その反動から昨日は講義の時間以外は羽を休めるという怠惰な一日を過ごした。日付が変わる前に締め切りの提出物を思い出し、なんとなくこなして床に付いた。久々に夜寝れないという感覚に陥った。気温も徐々に上がってきて本格的に夏が近づいてきた予感がする。拠点の周りには大自然で包囲されているから、蚊にとって私は美味しい餌だ。なるたけ、煙を巻いて上手く対処しているはずなのだが、どうしても栄養を与えてしまう。彼女らの命と引き換えに私には不快感だけが残る。彼女らが繁殖したいがために私の腕には多数のボヤ騒ぎが起こる。酷い時は鎮火できずに延々と炎が広がっていくのだ。視点を変えると少しの血ぐらい与えてやっても良いかと思える。400ml捧げるよりはマシなのだから。

先日、蚊よりも大きな痛みと不快感、そしてボヤを起こした出来事があった。医療行為を受ける際にほぼ必ずと言って良いほど、金属筒が管をジャックするために侵入してくる。入る前に彼らに降伏をするために二の腕を縛られ、ついでに親指を他の四本で優しく包む。包むと同時に脈がくっきりしてアル綿が表層をさらっていく。一拍おいて勢いよく奴が突き刺さる。ぐっと痛みを堪えると、明らかに自分でないものが体内を駆け巡る。両手をあげ、銃声とともに異物が私を熱くした。落ち着こうとしたが、吐き気があり部外者を外すことはできなかった。戦場から抜け出して針が3つ進んでから彼らは撤退していった。荒野だけを残して。


慈悲をください、、、!