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【本】宗澤岳史『引継ぎChange & Education―生産性を3倍に跳ね上げる』

引継ぎ。
退職者がでたときや業務ローテーションのときに、どんな規模の会社でも発生するものが引継ぎです。

引継ぎのやり方としては、前任者が後任者に、「これを使ってこうやってこういうものを作って、◯◯の××さんに送って完了」という感じで教えることが多いのではないでしょうか?

ところが、この本では、前任者が自分のやり方を丁寧に教えれば教えるほど、後任者は過去に縛られる、といいます。

前任者からの、従来のやり方ありきの引継ぎは、どんどん生産性が劣化していくばかり。

確かに私の経験でも、何のためにやるのか?がすっぽり抜け落ちて、ただの作業になっている業務がありました。

未来を見据えて後任者が主体になった引継ぎをするなど、この本にあることをうまく活かせば、組織を変えるチャンスにもできる。

そんなことが、小説のようなストーリーじたて、実際に営業部のエースが退職することになり、しかも引継ぎに積極的ではないという大ピンチから始まる物語と、なぜそうなるのか?の丁寧な補足解説でつかめるのが、この本です。

第1章に書かれたこの言葉に、当たり前に過ごしている現状の怖さを感じる人もいるのではないでしょうか?
私もそうです。

 日本企業の多くは、未だに終身雇用や職能資格制度を採用しています。これらの制度は、人が辞めることを前提としていません。つまり、社員は同じ職場で何十年も働くのだから、引継ぎなんて考えなくてもいい。あるいは引継いでも近くにいるのだから、わからないことは聞けばいいという固定観念が存在します。

もし現在の状況のまま何も対策をしなければ、引継ぎのたびに生産性が低下し、その回復が十分でないまま、次の引継ぎが発生することになります。この負の連鎖によって組織、そして日本企業の生産性は低下し続けるでしょう。

この本から学び、実践しようと思ったことは3つです。

1.自分の注意がどこに向いているかを自覚し、なるべくコントロールできるようにする

文中で紹介されている「注意の意識化ワーク」もやってみました。
実際に自分の脳内が見える化されたというより、見える化してみようとすることで、自分の注意力を俯瞰してみることが出来ました。
定期的にやってみようと思います。

2.最初からカチッとさせず、モヤッから始めたほうがうまく行く話もある

つい、すべてをクリアにしてひとつひとつ合意をとって、進めようとしまいがちです。

人は、変化に抵抗するもの。

最初からカチッとすることにこだわらず、モヤッ、も選択肢に加えていきます。

3.実際の引き継ぎで「教育者」にまわる

最終章にこんな言葉があります。

〝引継ぎは教育〟であり、引継ぐ側の人間は〝教育者〟であるべき。

魚をとってあげるのではなく、自分で魚がとれるように教えるのが教育。

私も自分の引き継ぎで、それを念頭におき、この本を読みながら進めていってみます。


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