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2022年10月1日からの給与明細に要注意!~雇用保険料率が変わります #0017/1000

雇用保険って?

年金や健康保険なら聞いたことがあるけど、雇用保険なんて聞いたことがない…という人も多いのではないでしょうか。

年金や健康保険は、日本に住所がある限り、どんな職業の人でも加入が必須です。

これを、国民皆年金、国民皆保険といいます。

ですが、雇用保険は違います。

条件にあえば強制加入ですが、その条件に合う人は、年金や健康保険と比べると、かなり限られるのです。

また、多くの人が年を取れば年金がもらえ、病気になれば病院に医療費3割負担でかかれるのに対して、雇用保険はお金がもらえる範囲も限られます。

その分、身近な保険ではないかもしれません。

たとえば雇用保険は、

  • 失業して困る

  • 育児や介護で働き続けることが難しくなる

  • 能力を高めるために資格学校で学ぶ

などの、働き続けることが難しくなる時、また、働き続けるハードルを下げるために能力を開発するなど、限られたシーンで助けてくれる保険なのです。

私も毎月お給料から雇用保険料を引かれていますが、雇用保険からお金をもらえたのは教育訓練給付金の3万円弱です笑。

同じ会社でずっと働いていて、育児や介護で休むこともなく、勉強することも気がすすまないな…というような場合は、まず、雇用保険からお金をもらうことはないかもしれません。

その雇用保険が2022年どう変わる?

雇用保険料の金額は、ざっくり言うと、いろいろ引かれる前のお給料の総支給額に決められた率、雇用保険料率をかけて計算されます。

つまり、ひとりひとりのお給料が毎月違うのと同じで、ひとりひとりの雇用保険料は毎月違います。

だから、この「雇用保険料率」が大事になるのです。

この「雇用保険料率」は、毎年検討され、毎年決められます。

雇用保険財政の状況(収支)をもとに、労働政策審議会等で検討され、国会の衆議院・参議院で、次年度の雇用保険料率をどうするかを決めるわけです。

財政が良ければ据え置きか雇用保険料率を下げる、財政が悪ければ雇用保険料率を上げる、ということになります。

雇用保険財政は、ここのところの人手不足もあり、仕事をなくす人が少ない分、支出が少なく、よって雇用保険料率も低い水準でした。

ですが今回、新型コロナウイルス感染症で仕事を失う人が増えたこと、また、雇用保険を財源にした給付金が活用されたことで、雇用保険財政が苦しくなってきたとのこと。

よって、審議を経て、料率を上げることになりました。

4月1日に働いたお給料から関係する2022年の雇用保険料が最終的に決まったのは、なんと昨日(2022/3/30)。

年度末も年度末ぎりぎりの決定でした。

料率がどう上がるのかというと、2022年4月からは、会社が負担している分が少し増えます(社員のお給料総額の0.0005)。

そして10月からは、とうとう、私達のお給料から引かれる雇用保険料も高くなります。

どの程度かというと、0.002。

例えば手取り前のお給料が30万の人は、

300,000円✕0.002=600円

で、引かれる雇用保険料が600円増えるのです。

「ええっ!」と文句をいいたい気持ちにもなりますが、ちょっと待って。

実は、雇用保険料率というのは、法律で

雇用保険率は、千分の十五・五とする

(労働保険の保険料の徴収等に関する法律 12条4項)

と決められているのです。

それと比べると、今年の10月からの雇用保険料率は、上がるとは言っても千分の十三・五(0.0135)。

まだ、法律で決められている料率より、0.002低いのです。

人間どうしても、今より値上げと聞くと、べらぼうに高いような気がしてしまいますが、今の基準がそもそも低いという可能性もあります。

本来はどういうふうに決まっているのかを知れば、そういった感情に振り回されることも減るかもしれません。

今は新型コロナウイルス感染症で大変な目にあっていて、雇用保険を頼りにしている人も多い時代です。

雇用保険料の「値上げ」に文句を言う前に、雇用保険料がちゃんと適切に使われているのか、値上げは本当に必要なのかを皆で考えていきたいですね。

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