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新卒入社はほんとうにすぐ辞める?~新規学卒就職者の離職状況最新版発表 #0223/1000

平成31年3月に卒業した新卒入社社員の離職状況について、厚生労働省がとりまとめ公表しました。

「最近の子は3年経つとやめる」という3年神話のようなものが、まことしやかに語られることがあります。

「「新卒が3年で辞める」のは本当に悪いことなのか」と題して、特に1年以内の超早期離職が多い高卒生の、ミスマッチによる離職に警鐘をならす記事もあります。

https://toyokeizai.net/articles/-/511193

ではその「最近の子は」神話が本当か、今回の厚労省発表のデータで見てみましょう。

昭和62年からのデータなので、高卒だと1969年生まれで今53歳、大卒で順当に入学・卒業した場合は1965年生まれで今57歳です。
「最近の子は」という人が多そうな世代ですね。

こう見ていくと、就職後3年以内の離職率は、昭和62年で28.4%、平成31年で31.5%。

あきらかに、「最近の子はすぐ…」というほどの違いがないのがわかります。

1年目の離職率について、昔も今も差が少ないのは、どの世代にも一定の割合で「ミスマッチ」がありうるからかもしれません。

以下のような平成に起きた経済の大きなニュースと比較してみると、やはり、バブル崩壊・リーマンショックのあたりは離職率が下がり、いざなみ景気のあたりは離職率があがるなど、ある程度は相関関係はありそうです。

平成元(1989) 消費税導入・ベルリンの壁崩壊
平成3(1991) バブル崩壊・湾岸戦争
平成7(1995) 阪神淡路大震災
平成3(1991)~平成14(2002) 失われた10年:景気低迷期
平成14(2002)~平成19(2007) いざなみ景気・ITバブル
平成19(2007) 世界金融危機(サブプライムローン問題)
平成20(2008) リーマン・ショック
平成23(2011)東日本大震災

こう見ていくと、その世代がどうこうより、景気の動向の問題としてとらえるほうが理解しやすいように思います。

離職する人をどうこうよりも、自分の会社を好景気になっても「ここで働き続けたい」と思える職場にしていくことが大事だとあらためて思う、調査内容でした。


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