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ISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン)と日本の指標について#0068/1000

今日は、人的資本について、これから調べたいことのメモです。

「ISO」という機関があります。

スイスに本部がある民間の機関で、正式には「International Organization for Standardization」、日本語には「国際標準化機構」と訳されています。

同機関が定めているのが、国際規格であるISO規格。
「国際的な規模で基準を統一する規格」という意味合いのものです。

ですので、ISO規格を導入する、ということは、世界レベルでぶれない基準の仕組みを取り入れるということです。

このISO、品質マネジメントや環境安全やいろいろなものさしがありますが、「人的資本」のものさしもあるのです。

それがISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン)。

野村総研(NRI)のサイトにはこう説明されています。

ISO30414は、内部及び外部のステークホルダーに対する人的資本に関する報告のための指針であり、労働力の持続可能性をサポートするため、組織に対する人的資本の貢献を考察し、透明性を高めることを目的として発表されました。また事業のタイプ、規模、性質、複雑さにかかわらず、全ての組織に適用可能なガイドラインとしています。
ガイドラインでは以下の領域に関する指標を定めています。

ではどんな指標かというと、ISOのサイトではこう紹介されています。

— compliance and ethics;

— costs;

— diversity;

— leadership;

— organizational culture;

— organizational health, safety and well-being;

— productivity;

— recruitment, mobility and turnover;

— skills and capabilities;

— succession planning;

— workforce availability.

NRIの日本語訳はこちら。

1.コンプライアンスと倫理
 ビジネス規範に対するコンプライアンスの測定指標
2.コスト
 採用・雇用・離職等労働力のコストに関する測定指標
3.ダイバーシティ
 労働力とリーダーシップチームの特徴を示す指標
4.リーダーシップ
 従業員の管理職への信頼等の指標
5.組織文化
 エンゲージメント等従業員意識と従業員定着率の測定指標
6.健康,安全
 労災等に関連する指標
7.生産性
 人的資本の生産性と組織パフォーマンスに対する貢献をとらえる指標
8.採用・異動・離職
 人事プロセスを通じ適切な人的資本を提供する企業の能力を示す指標
9.スキルと能力
 個々の人的資本の質と内容を示す指標
10.後継者計画
 対象ポジションに対しどの程度承継候補者が育成されているかを示す指標
11.労働力
 従業員数等の指標

これが「世界基準」なわけですが、先日発表された、有価証券報告書への記載義務付けが検討されている、日本の「人的資本」のものさしは以下のとおりです。

【人材育成】
①リーダーシップ
②育成
③スキル
④エンゲージメント
⑤採用
⑥人材維持
⑦後継者計画
具体的には…
・自発的、非自発的離職率
・研究者の確保、定着への議論状況
・後継者の育成プロセス

【多様性】
⑧多様性
⑨非差別
⑩育児休業
具体的には…
・性別、人種、民族の割合
・期間中の差別事例の総件数

【健康安全】
⑪安全
⑫身体的健康
⑬精神的健康
具体的には…
・労働災害発生割合
・従業員の欠勤率

【労働慣行】
⑭労働慣行
⑮児童・強制労働
⑯賃金の公正性
⑰福利厚生
⑱組合との関係
⑲コンプラ
具体的には…
・団体交渉協定対象の割合
・基本給と報酬総額の男女比
・福利厚生の種類や対象

世界基準のものさしと、日本のものさしと、なにやら温度感が違う気がします。

では、どこが違うのか? 日本特有なところはどこなのか。

後日、資料を読み込んで確認してみたいです。

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