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「Z世代」という括りに注意して、必要な情報を見極める~「Z世代に聞いた!会社からの評価に関する調査」

人事DXシステム「One人事」を提供するOne人事株式会社が、Z世代(16歳~28歳の正社員435名)に、「会社からの評価に関する調査」についてアンケートを実施し、その結果を公表しました。

「Z世代」と括ることに注意しながら、注目すべき情報をチェックしてみましょう。


「Z世代」が指すものに注意

Z世代は、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代を指す言葉です。
つまり、2024年現在では、13歳~29歳前後のこと。
とすると、働けるのは原則としては「15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したあと」(労働基準法)なので、16歳以降となります。

このアンケートも16歳以上がターゲットですが、とすると、同じ正社員でも、高卒で勤務している人と、大卒で勤務している人とが混在していることになります。

高卒と大卒は現段階では給与水準がかなり違うので、そこをひと括りにして給与や賞与の話をするのは、かなり冒険であると言えます。

ですので、調査結果の「1)自分の給与額について」が「低い」という声については、もっと深堀りして見る必要があります。
ですが、「高い」としている人の「業務内容に合わせて、しっかりと給与も上がっていく」「会社も若い子を育てるのに力を入れているから環境はとても良い」の声は、参考にできそうです。

評価はやはり問題が多いことが判明

評価は、4割強の人が「正しく評価されていない」と思っているという結果でした。
その理由を見ると、Z世代に限らず、他の世代からも聞かれる意見が多く見られます。
Z世代がというより、評価そのものの問題点が明らかにされているといえそうです。
一方、こちらも、「はい」としている人の理由には、「目標管理シートで評価されている」「個人面談がある」「フィードバック面談がある」「賞与の査定等で、自身の業務に関してプラス査定がされている」などの声があり、少なくともこういったことをすることで、Z世代では納得する人もいるのだということがわかります。

評価制度の調査は経験値の影響も

最後の質問、評価制度について。

今の勤務先の評価基準のアンケート結果と、会社に求める評価制度の結果が、同じ順位となっています。

これは、12歳の差があるアンケート対象で、まだ入社して日が浅い層はまだ自社の評価制度しか知らない可能性を示唆するものだと思われます。

したがって、いちがいにZ世代には「成果主義」を求める人が多い、とはいえなさそうです。

令和時代の若者たちがどのような考えの傾向を持っているか、調査結果や著者の経験から記された著書『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』には、「成功した人もしない人も平等にして欲しい」と、どんな時でも均等分配を理想とする若者の思考傾向が紹介されています。

とすると、「頑張った分だけ評価されたい」という意見とは多少食い違いがみられます。
むしろ、「スキルなどで他人と比べられるのは、頑張る理由にもなるが苦痛になる」という意見に近しいように思います。

このあたりも、Z世代と一括りにすることの難しさがあります。

おわりに

世代間ギャップについては、関心をもつ人が多いため、非常に多く記事になります。

ですが、そこで思考停止して、「団塊世代は」「Z世代は」と言っていると、思考がエコモードになり、結論が出されている気になって、そこからのアクションが見えにくくなってしまいます。

世代がテーマになっている記事も、「◯◯世代はこうなんだな」で終わりではなく、その世代でくくることで見えてくるものがあるのか、にセンサーを向け、アクションにつなげるヒントを拾いたいものです。

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