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【本】和仁達也『プロの思考整理術』

思考力強化期間の3冊目です。

手にしたきっかけは、タイトルの「思考整理」と書影の「悩みが「見える化」」が、自分の考える力をきたえるのに役立つのではと思ったからと、Kindle Unlimitedのラインナップで、お試しができたからです。

読んでみて、当初の見込みは良い方向にはずれました。
いまの私にももちろんですが、今後、自分で仕事をするようになった私にも非常に栄養となる本だったのです。

「思考整理は誰も傷つけず、誰も不快にさせたりすることのない、すべての人を幸せにできるコミュニケーションです」

この言葉にしびれてひきこまれ、豊富な事例の読みやすさに、最後まで勢いよく読んでしまいました。

心に残ったのはこんなフレーズです。

  • 状況を整理すれば感情が整う。

  • お困りごとパターンを考えておき、相手のセンターピンをさぐる。相手がセンターピンを見つけると、ひとは目を開く、笑い出す等の反応をみせるのでわかる。

  • 相手も自分も当事者ではない「事例ストーリー」をもちいて、やんわりと話の核心への呼び水とする。そのため、「事例ストーリー」は自分の経験、聞いた話、読んだ話などをこまめにスマホにメモしておく。

  • 自分の想定内でしか考えない思考のクセがある相手には、そのクセを外して視野を広げてあげ、常に想定外を意識させるようにする。
    なぜなら、「宝」は想定外の場所にあることがほとんどだから。

  • 思考整理で「トゲ」、「できない」と思い込んでいたことを見つけて抜くように導く。

  • 話の内容を図解する。スケジュールを管理するチャート図、人間関係をふかんする関係図、とっちらかった話をまとめるマインドマップ、盲点をみつけるためのマトリックスの紹介あり。

  • 悩んでいる人はとくに目先のことでいっぱいいっぱいになっているので、「極端に振り切る」という着眼点で斜め上の発想にしてあげる。
    「会社を引退するときから逆引きしたら?」
    「死後100年から今を見たらどう思うか?」

そんななかで、書影にもあった「悩みの見える化」の方法が豊富な事例とともに説明されています。

1.タイトルを決める
 ◯◯を◯◯するには?などと仮置きする、話しているうちに変わることも

2.現状を知る
タイトルをふまえて、自分が疑問に思ったことや気になったことを聞く

3.理想を描く
「どうなっていたら、その問題が解決したと言えますか?」
「100点満点の状態はどんな感じ?」
などの質問で、相手が理想を描くのをサポートする

4.条件を探す
理想と現実のギャップを埋めるためにどうすればよいのかを考える
そのため、能力・行動・環境の3つの視点を用いる。

私は人から話を聞くとき、つい、聞かれたくないプライベートにまで踏み込んでは、と思ってしまって、一歩が踏み出せない傾向があります。

なので、この「2.現状を知る」で紹介されていた、
「そうなんですね」と聞き流すのではなく
という部分にはドキッとしました。

ですが、そこで紹介されていた、一歩踏み込む質問の事例、
「もし、そのまま放置しておくと、どんな不都合につながりますかね?」
「そう思うきっかけとかありましたか?」
に、それなら聞くのに抵抗なさそう、と、冒頭の「思考整理はすべての人を幸せにできるコミュニケーション」という、この本の基本の考えをここにも感じました。
自分の「トゲ」をひとつ見つけた気がします。

この「問題整理」も、心が整って、行動を起こせるようになることが目標で、結果は期待通りでなくても良いとのこと。

相手に結果を出してもらおうとか、何かに気づいてもらおうなんて変な欲は出さず、
相手の話は「この時間は相手のためにつかう」と全集中して聞くこと
相手の感情を大事にし、話したいことを要約して鸚鵡返しする相手のためのコミュニケーションをすること
を大事にしていきたいとかみしめました。

私には、自分の想定内でしか考えない思考のクセがあり、相手が話す言葉を額面通り受け止める傾向があるので、明日から、そこを「ほんとうにそうだっけ?」「そうは言っているけど真意は?」とツッコミをいれていきます。


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