介護は60歳以降の男性の働き方をどう変えるか?〜『高年齢者の多様な就業と生活』よりnote740日
介護のあるなしは、60歳以降の男性の働き方をどの程度左右するのか?
そんな問いへの答えのひとつが、『高年齢者の多様な就業と生活』調査(労働政策研究・研修機構)で提示されました。
ベースとなる資料は、厚生労働省の「中高年者縦断調査」を利用しており、母数は万単位となっています。
やはり、予想通り、介護をしている人は、していない人に比べて、翌年の就業率が低いという結果となりました。
チェックすべきなのは、大企業と中小企業で傾向がだいぶ異なることです。
ならべて見ると、中小企業ではすべての年齢で介護ありの人が無業になっている割合が高いですが、大企業は65-67歳、また70歳で、介護のあるなしは関係ないという結果になっています。
65歳、70歳というのは定年制の節目なので、介護に関係なく辞める人も多いことが読み取れます。
介護ありでも、大企業では中小企業より辞める人が少ない。
当然の結果のようにも思えますが、では、何をもって「当然」なのでしょうか?
大企業と中小企業の対応が比較できる資料が、厚生労働省の調査にあります。
いろいろな比較があるなかで、企業規模で差が大きかったのは、このふたつです。
「介護離職防止や仕事と介護の両立支援に会社として取り組む必要性の認識」があるのは、大企業は100人以下の倍以上。
また、「対象家族1人に対して取得できる介護休業の最長通算日数(正規労働者)」は、100人以下が9割近くが法定、最低限なのに対して、大企業は5割以下、3割が1年となっています。
中小企業でそこまでは無理だ、という思われる方も多いかもしれませんが、だからこそ、やれば差別化になります。
介護の諸制度を推進すると、雇用保険からの助成金が利用できる場合もあります。
業務代替者を利用するのであれば、93日よりも1年前提のほうが組み立てやすいということもあるかもしれません。
人手不足時代、60歳を超えても働いて欲しい人離職されてしまう前に、大事なポイントかもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?