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労働局によりもらえるお金に違いがあるなんてなしにしよう!〜育児休業の給付金と産前の出産手当金は両方もらってOK!


今日のTwitterで、福岡労働局からのこんな疑義回答が照会されていました。

ひとりめの子の育児休業中にふたりめができて、そのまま復帰なしにふたりめの子の産休に入るケースの、もらえるお金のお話です。

キーになるのは、「どこでひとりめの育児休業が終了し、ふたりめの産前休業がはじまったか」です。

育児休業とみとめられる期間は、ハローワークから育児休業給付金が貰えるからです。

どこで、がどう決まるかというと、本人がいつから「産前休業をとります」と請求したかでどうかで決まります。

なぜなら産前休業というのは、労働基準法第65条で「女性が請求した場合は」と決まっているからです。

使用者は、六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。

なので、結果的に本人がそう望んで産前休業はとらない、ということもアリです。

私自身、長女のときは、1月末まで働いて、2/9の出産でした。

ではこの場合、どこまでが育児休業になるかというと、出産日までになります。

なぜなら、出産日の翌日からは産後になるので、しっかり体を休めるための産後休業が、こちらは必ず会社がとらせないといけない休みとして始まるから。

この場合、産前休業は1日もとっていませんが、出産のため休んでいる期間なので、健康保険からの「出産手当金」はふつうにもらえます。

それは、健康保険法第102条でこう決まっているからです。

被保険者が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前四十二日(多胎妊娠の場合においては、九十八日)から出産の日後五十六日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。

ようするに、出産の日以前42日から出産後56日の間で、「労務に服さなかった期間」、つまり働いていなければ支給する、ということです。

出産手当金は健康保険法、育児休業給付金は雇用保険法によって、それぞれにきちんともらえる条件が定められている制度です。

なので、それぞれその条件を満たしてさえいればOK。

出産手当金をもらうのではあれば育児休業給付金はでませんなんて、そんな調整はありません。

他の制度でそういった調整があるケースもありますが(労災と障害年金など)、その場合もきちんと法律にさだめられています。

今回のケースは、これまで、一地域のハローワークや労働局の判断で、ほんとうであれば両方もらえるものがもらえなかった、ということを示しています。

私が育児休業の担当をしていたのは、10数年前ですが、飯田橋ハローワークではふつうに認められていました。

こういった地域の違いで、同じ条件なのにもらえる人ともらえない人がいるのはとても気分が悪いです。

「産前休業を請求しなければもらえる」というような、知ってる人だけが得するような制度もなんだかなと思います。

同じ状況のひとは、知識があろうがなろうが、ちゃんと差別なくもらえるものがもらえる。

そんな世の中にしていきましょう!

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