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フリーランスでもお仕事でけがしたら補償がある?〜フリーランスの労災特別加入

フリーランス保護法の動きとともに検討中の議題に、フリーランスが労災保険に特別加入できるようにする、ということがあります。

特別加入とは何かの前に、そもそも労災保険とは何かをご説明します。

そもそも労災保険とは?

労災保険とは、労働者がお仕事が原因でけがをしたり病気になったときに、その治療代や、お仕事ができない間の生活費がわりのお金を出してくれる仕組みです。

労働関係の基本の法律である労働基準法では、けがや病気になるような職場環境は会社の責任であるということで、会社が負担することになっています。

とはいえ、会社側がすすんでお金を払ってくれるとは限りません。
いや、むしろ少ないでしょう。

それに、大きなけがや病気の場合、ひとりの人の一生を支えるだけのお金を会社が払い続けられない可能性もあります。
会社がなくなってしまったら、労働者はそのあと補償を受けることができなくなってしまう、なんてこともあるかもしれません。

そんな問題を解決すべく、こういった仕事が原因のけがや病気は、会社だけにまかせるのではなく、国がきちんと管理しましょう、ということでできたのが労災保険。
フルネームは労働者災害補償保険です。

これがあることで、会社が毎年払った賃金に応じた労災保険料を払っておけば、労働者はその保険料をもとにした補償を受けられるしくみになっています。

会社は労働者をひとりでも雇っていたら労災保険に加入しなければいけません。
ですので、労働者は守られていることになります。

では、それが労働者ではなく、フリーランスだったら?

例えば、配達員が会社と雇用関係にある労働者であれば、配達中のけがは労災保険で補償してもらえますが、それが個人事業主で請負、フリーランスだったらどうなるのでしょうか?

答えは、原則、労災保険の対象外になります。

Amazon配達員に労災が

ですがちょうど本日2023/10/4、Amazon配達員の個人事業主に、労災による補償、約50日間の休業補償が認められたというニュースが流れました。

Amazonの商品は個人事業主のドライバーによる配達も多いなかで、労働組合「全国コミュニティ・ユニオン連合会」(全国ユニオン)によると、労災が認められたのは初めて、と記事にあります。

けがをした個人事業主は、 個人宅に商品を届けようと階段を上ったところ、足を滑らせて階段脇に転落し、病院で腰椎(ようつい)圧迫骨折と診断され、約2カ月間仕事を休まざるを得なかったそうです。

この休まざるを得ない間が補償されるかどうかは大きい問題です。

フリーランスにも労災が認められる時代が訪れつつあります。

労災には特別加入もある

この労災には、会社が自身の会社の従業員に対して加入する以外にも、法律で認められたお仕事ならば、個人で加入することができます。

それが、特別加入です。

ですが、法律で認められたお仕事なら、と書いた通り、誰でも加入できるわけではありません。

それを拡張しようというのが、今回のフリーランス保護法と連動した動きです。

厚生労働省の委員会の資料によると、フリーランスの各職種で、労災の特別加入がてきない職種はまだまだあります。

以下のグラフのオレンジ色が、いま特別加入できるお仕事。
赤マルが、人数は多いものの、いまは特別加入できない職種です。

営業をフリーランスとして行なっている人は多いにも関わらず、まだ対象となっていなかったりするのです。

フリーランスの場合、職場環境等については自分で選べることが多いため、顧客の責任となることは原則ないと思いますが、仕事上のけがや病気で働けなくなって困るときのために、特別加入しておきたい人は多いはず。

アンケートでも5割近い人が労災保険が必要だと言っていますので、今よりは拡大していって欲しいと願います。

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