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男性育休の目的は「とること」から「とってどうするか?」へ〜11/19いい育児の日アンケートより 0604/1000

パーソルホールディングス株式会社が、11月19日のいい育児の日に向けて、全国の男女1,100人(男女各550人)に対し、「男性育休に関する本音調査」をインターネットで実施しました。

結果、育休取得へのモチベーションは高いものの、いざ取得するとなると会社への遠慮があり、「とった」ということがゴールになっていて、「とってどうする?」がこれからの課題だということがわかりました。

モチベーションの高さは、「育児に積極的に参加したい」と思う人が76.3%で4人に3人、「育休期間はどれくらいが適切なのか」には、「1か月以上」と答えた男性が67.9%という数値からわかります。

ですが、「実際に自分がとる育休期間は?」の質問には、「1ヶ月以上」が50%という結果が。
適切と思っている人が3分の2に対して、自分となると2分の1と、取りにくいと思っている様子がうかがえます。

また、男性の中で、育休を「取らない(取るつもりがない)」、「1か月未満」を選んだ人の理由で多いのは、「勤務先の人員が不足している(代替人員の不足)」が21.4%、「上司や同僚に迷惑をかけたくない」が19.2%となっています。

育休を取ることに対して、会社への遠慮や罪悪感がある人が一定数いることがわかります。

そういう状況下だと、「そんな会社への遠慮をふりきって育休を取ったぞ」ということ自体に本人の達成感があったり、周りからも評価されたりしがちです。

実際、政府がはなばなしく公表したり目標に掲げるのも「男性の育休取得率」であって、とってどうするか、という話にまではいたっていません。

ですが、実際に男性育休の中身をみていると、理想と現実がみえてきます。

男性が育休中に担当したい育児家事は、買い物、子どもの遊び相手、おむつ替えなのに対し、女性がしてほしい育児家事は、沐浴入浴、掃除片付け、夜泣き・寝かしつけの対応、と、食い違いをみせています。

また、育休から復帰したあとの育児家事の分担割合については、同じくらいに負担すると考えている女性に対し、男性は4割以下でよいと思っている人が50%以上いるという結果になっています。

育児はもちろん育休期間で終わる訳ではないのですが、育休を取ったということで、ひとつ大きな役割を果たしたようなことになっているのではないでしょうか。

話題になった金原ひとみさんの母というペルソナに関する記事「母の仮面が苦しいあなたへ 「自分」は今もそこにいる」にはこうありました。

30回中1回だけ配偶者に子供を病院に連れて行ってもらえば「お父さん偉いですね」という言葉をかけられ29回一度も褒めてもらえなかった私の立場は常になく、

金原ひとみ 「母の仮面が苦しいあなたへ 「自分」は今もそこにいる」

男性育休の取得率があがっていることは、昔から比べれば確かに良い変化です。

ですが、男性が育休を取得することは、決してゴールではない、ということは、皆で心しておきたいことです。

男性育休があたりまえになり、育休をとっているときもいないときも、育児家事の分担がきちんとできるようになってからが、むしろ、本当の男性育休のスタートなのかもしれません。

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