見出し画像

景気の動きを人の動きの数字で見る〜CFP勉強中①

CFPというお金関係の国際資格の勉強をはじめました。

CFPを学ぶうえでも、社会保険労務士とも重なる人に関わるところは特にマーカーをきゅっと引いておきたいところ。

今日から時折、そのマーカー部分について取り上げていくとこにします。

今回は、景気動向指数で人の動きに関わるものについて。
つまり、世の中の景気と人の動きはどのように連動しているかを見てみましょう。

1.景気動向指数とは

世の中の景気とは、業界によってこもなることもあり、非常に多種多様でなかなかとらえにくいものですが、全体的な良し悪しの動きもあるものです。

それを肌感覚ではなく、いろいろな切り口で数字をとって、それを積み上げることで、見えてくるものがあります。

そのいろいろな切り口の数字が景気動向指数。

例えば、これから売上が伸びると思った会社は、生産性を高めるべく、設備にお金をかけたりしますし、逆にこれは苦しい局面だと思った会社は、そういう先行へ投資を行なう体力をもっていなかったりします。

そういう状況を調査により数字で見える化し、いろいろな切り口を集めて材料とし、全体を推し量ろうということです。

2.人の動きにかかわる数字にはどんなものがある?

景気を推し量る数字には、景気が良くなったり悪くなったりしはじめると最初に影響があるものと、景気が良くなった(悪くなった)ことに影響を受けて変わるものとがあります。

最初に影響があるものを先行、あとで影響を受けるものを遅行といいます。
ほぼ流れに一致するものもあります。

人の動きを表わす数字には、以下のようなものがあります。

1.先行系列
新規求人数

2.一致系列
新規求人倍率
有効求人倍率

3.遅行指数
常用雇用指数
完全失業率

新規求人数(先行系列)
仕事が増え人手不足になり、結果として人を雇う必要が出てきたということです。
この数字は、ハローワークにおいて、その月に受け付けた求人数をいいます。
先月に求人をして、今月もしています、という人数は入りません。
その月にどのくらい新しく求人が増えたかの数字です。

会社が人を雇うというのは、人件費という固定費用を増やすわけですから、なかなかハードルが高いものです。

それでも求人をするというのは、仕事が増えて今の人では回らなくなってきたということで、景気が良くなる兆しです。

逆にこの数字が少なくなると、会社が新しく人を雇うほど仕事は減っているということですから、景気後退が予測されるわけです。

新規求人倍率・有効求人倍率(一致系列)
一致系列です。
新規求人倍率は、上で述べた新規求人数を、その月に仕事を探している人数で割ったものです。
有効求人倍率のほうは、新規求人がその月の求人数だけなのに対して、まだ求人として有効なもの、前月の求人も数にいれたものです。

結果、新規のほうが景気の動きをリアルにうつしますが、方向性としては同じものです。

新規求人数は先行系列なのに、新規求人倍率はなぜ一致指数なのでしょう?

それは、新規求人数は絶対的な数であるのに対して、新規求人倍率は「倍率」だから。

たとえば、景気の良くなる傾向のとき、1000人の求人に対して500人が仕事を探していたら、新規求人倍率は2倍です。
いっぽう、景気が悪くなっているとき、20人の求人に対して仕事を探しているのが10人でも、2倍です。

これが、もっと景気が悪くなって、求人が10人なのに仕事を探しているのは20人!となれば、新規求人倍率は0.5倍。

景気が良くなれば倍率が上がり(2倍)、悪くなれば下がる(0.5倍)とは言えますが、倍率の数字だけではなかなか良し悪しが測りにくいわけです

常用雇用指数(遅行)
常用雇用指数は、基準年(5年ごとに変わる、今は2020年)の平均を100として、指数化したもの。
「常用」の意味合いは、「期間を定めずに雇われている人」「1ヶ月以上の期間を定めて雇われている人」どちらかのため、臨時雇いのアルバイトなどは対象になりません。

日本の労働法は労働者を守るもののため、いまいる社員の数を少なくする、つまり、整理解雇することは、どうしてもやむを得ない場合のみに限定されています。

ですので、あれこれ手をうったあとで、最後の手段として実施されるため、景気が悪くなる流れよりも遅く影響のでる数字です。

完全失業率(遅行)
完全失業率は、労働力人口(15歳以上の働く意欲のある人)のうち、完全失業者(職がなく求職活動をしている人)が占める割合のことです。
もともと働かない予定の人は含みません。

上で述べた理由により、会社が人減らしをするのは最後の最後なので、失業者が増え、結果として失業率が増えるのも、遅れてとなります。

3.まとめ

景気が良くなり始めると、物やサービスが売れるため、会社は忙しくなり人を雇うため、「新規求人数」が増えます。
それは景気に先行して動くので先行指数です。

また、見てきたように「新規・有効求人倍率」は一致指数です。

仕事を探している人よりも、求人の数が多ければ、まぁまぁ景気は悪くないんだな、ということです。

最後、常用として雇われている人が増えたり失業者が減ったりしたら、景気は悪くないはず、常用雇用者が減って失業率があがったりしたら、景気は相当に悪い、といえるわけです。

4.では、2023年は?

・新規求人数
2023年4月の数字は841,369人。
前年比0.9のマイナスです。
3月も0.7プラスと、それまでに比べると低い数字なので、これを見る限り、景気はあまりよくない方向と言えるかもしれません。

・新規(有効)求人倍率
こちらは新規求人倍率が2倍前半、有効求人倍率が1倍前半と、求職者ひとりにつき、ひとつ以上のお仕事がある状況なので、悪くはないかもしれません。

・常用雇用指数

1月の常用雇用指数(規模5人以上の会社)は、前年同月比 1.6%増となっています。

・完全失業率
完全失業率は2.6パーセント、前月に比べ0.2パーセントの減少です。

このふたつの数値からは、まだまだ景気が悪い感じはしません。

ここだけの数字で見ると、先行系列である新規求人数のみが悪く、もしかしたら景気後退の足がしのびよっているのかも…ということになりますが、実際の景気動向指数はほかにもたくさんの数字があります。

ですが、人事というひとつの切り口でみるのも、動向を大づかみするためのひとつのやり方かもしれません。

おまけ

個人的な内容ですが、CFPチャレンジについて触れさせてください。

現在、AFPというCFPに連携する資格(Aはアフィリエイテッド、連携するという意味)を持ってはいますが、今後独立開業していくことを考えてCFPにチャレンジすることにしました。

CFPは年に2回試験があり、6科目、それぞれかなりの難易度の科目を、すべて合格しないと名乗れません。

ですが、社会保険労務士とは違い、部分合格が認められているため、積み上げていくとが可能です。

今年の11月に少なくとも2科目合格を目指します。

週イチ目安で、ここでアウトプットさせてください。

アイキャッチは画像生成AIで作成しています。
プロンプト:景気動向指数、分析、考える人

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?