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国民皆保険をやめる!という荒業を考える
医療費がうなぎのぼりで大変だというのは、報道でもよく言われており、日本国民の共通認識だと思います。
では、どのくらいうなぎのぼりなのか。
厚生労働省の2021年国民医療費調査によれば、このくらいです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145125294/picture_pc_4e213a9e215ca70ef5038c8d825fe666.png?width=1200)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/dl/kekka.pdf
すごい増え方です。
平成がはじまったころと比べると、2倍近くにもなる、かなり急な登り坂です。
このひずみはあちこちに出ています。2024/6/19には、旧Twitterで、国民健康保険料の高さを憂うこんなポストがありました。
もうね、この際ぶっちゃける…
— 倉田典明 (@noriakikurata) June 19, 2024
この国民健康保険料、どうしたら払い切れるか、考えただけで健康を害しそうだわ…ちなみに3枚目の写真は昨年我が家3人が使った医療費。右が3割、左が10割。窓口で10割払った方がはるかに安い…😭#国民健康保険#政治とは税の取り方使い方#暮らしも人生も政治次第 pic.twitter.com/tHjBNu6moe
資料の全体が見えているわけではないので、正式な資料としては扱えないかもしれませんが、仮にそのまま信じると、この方は、健康保険に入っていることで、8倍ものお金を払っていることになります。
国民健康保険料:451,980円
医療費(健康保険を利用せず自己負担10割):56,240円
もちろん、保険制度がそういう損得でみる
ものではないことは承知のうえです。
万が一今後重い病気になり手術を受けたりしたら、高額療養費制度でかなりの金額を健康保険が負担してくれるので、「あのとき8倍でも払っておいてよかった」になるかもしれません。
ですが、そのように払っている保険料以上の医療費の治療を受けるということは、当たり前ですが、病院にかからない他の人の保険料や税金を使っているということです。
ということは、仮に、100人のうち、10人が高額療養費を使うなら、皆で支えることもできるかもしれませんが、100人中90人が高額療養費を使うとしたら。
その費用は、いったいどこから来るのでしょうか。
そう思うと、ぞっとします。
その打開策を考えるにあたっては、日本の大原則のひとつ、「国民皆保険」、日本に住所がある人ならだれもが何かしらの健康保険制度に入らなければいけない、ということの前提を疑ってみるのもひとつではないでしょうか。
いまは、国民皆保険だから、さきほどのポスト主のように、病院にあまりかからない人も高額な保険料を払わざるを得ません。
結果、医療費が苦しいながらも何とかやりくりされているために、高齢者の負担は増えず、ちょっとしたことでも病院に行ってしまうという習慣につながってしまっています。
医療従事者のサイトでは、こんなアンケート結果や意見もあります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145127670/picture_pc_236f368021b5b0bd356439f662075426.png?width=1200)
https://sp.m3.com/news/open/iryoishin/1042105?s=09
・財源の安定供給を考慮した場合、全年齢的に負担をする方が医療資源を個人個人がよりよく考える機会になるため。(開業医)
・自制心のない患者が多く、生活習慣病が圧倒的に医療費を浪費している。(開業医)
・コンビニ受診をなくそう。(開業医)
・医療を受ける人は、ちゃんとお金を払うべき。今の医療は安すぎて、不必要な受診が多い。(勤務医)
・高齢者に対する無駄な処方が非常に多いと感じるため。(勤務医)
・1割負担がコンビニ受診や不要な受診につながっているところもあると思う。(勤務医)
・医療を必要とする人が医療費を多く支払うのは当然と考えるから。(勤務医)
・バンドエイドを貼る代わりに救急受診するのはいかがかなものか。(勤務医)
バンドエイドを貼る代わりに救急受診!
そういった事は、費用が低く押さえられているから起こることです。
健康保険制度が、国民皆保険ではなく、任意加入になれば、あまり病院に行く必要を感じない人は保険料を加入しなくなると考えられるので、そんな低額では診療を受けられなくなります。
では、どうするか。
この3つを組み合わせることで、対応してはどうでしょうか?
1.高額療養費制度は残す
重い病気などによる手術は、これでカバーします。
2.民間の医療保険の活用をすすめる
病気大好きな人は、毎月民間の医療保険に保険料を払うことで、3割負担とはいかず5割負担くらいにはなるかもしれませんが、病院に行けるようにします。
3.自由診療をもっと普及させて低額にする
先日、木下斉さんのVoicyで、「予防医療のための自費診療も効果的に活用しよう!」という放送がありました。
こんな内容です。
日本における医療分野は皆保険制度を中心に回っていますが、基本的に病気になってから治療として保険適応になります。健康診断や事前の診断を自費でやるのは私はとても効果的だと思っていて、保険にこだわりすぎないことが大切と思います。
今回はじめて背中全体のレントゲンをとってもらったり、足のレントゲンをとってもらって私なりの体の問題もわかりました。事前に問題がわかれば、これからできるだけ改善するように運動などを意識したりして健康を維持することが可能になります。
病気もけがも、実際痛くなったり悪くなる前からメンテナンスできていれば、自分もつらい思いをせずにすみ、治療のための医療費よりもっと安い費用で、しかも良い状態でいられるのです。
いまは健康保険の力が大きすぎて、「全額自分で負担する自費診療なんて受ける気しない」という人が多いと思いますが、健康保険制度そのものがなくなったら、そんなことを言っていられません。
自分が病気になったらどれくらい医療費がかかるのか、予防としての自費診療だとどのくらいか、をシビアな目で見比べるようになるのではないでしょうか?
高齢者の医療にメスをいれるのが難しいなら、いっそそういう荒療治もありではないか、と妄想してみました。
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