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養育費はまだまだこれから〜「女性版骨太の方針2024」①

政府は、2024/6/11、「すべての女性が輝く社会づくり本部」及び「男女共同参画推進本部」の合同会議を開催して、「女性版骨太の方針2024」を決定しました。

今回はそのうちまだまだ課題の多い「養育費」について取り上げます。

養育費とは、こどもを監護・教育するために必要な費用のことをいいます。

一般的には、経済的・社会的に自立していないこどもが自立する(例えば、大学等を卒業する)までに要する費用を意味し、衣食住に必要な経費、教育費、医療費などがこれに当たります。
(法務省パンフレットより)

https://www.moj.go.jp/content/001322060.pdf

つまり、両親が離婚したあと、子どもが生活費、教育費、医療費に全く困らないようなら特に必要はありませんが、困る場合は、離婚したとはいってもやはり両親で考えるべき制度です。

それだけひとり親家庭には必要な制度でありながら、よく利用されているとは言いがたいのが、この制度です。

令和3年度の「全国ひとり親世帯等調査」では、こんな調査結果となっています。

母子家庭では養育費の取り決めをしているのが46.7%と半数以下、父子家庭では28.3%で3組に1組以下です。

では、取り決めをしていないのは、生活費等に問題がないからでしょうか?

そうではないということも、この資料からわかります。

母子家庭で「自分の収入等で経済的に問題がない」は7.3%。

父子家庭の32.9%の5分の1弱です。

いちばん多いのは、母子家庭で「相手に支払う意識がないと思った」、父子家庭で「相手に支払う能力がないと思った」。

男女の賃金差がくっきりわかります。

また、養育費について「取り決め」をしていたとしても、受け取れているかは別問題です。

実際に養育費を受けているのは、取り決めをしている50万人に比べ少なくなっています。

現在も受けているのは30万強、受けたことがあるのは15万強といった感じです。

養育費について取り決めをする人は半数以下、取り決めをしていても実際に受け取れている人はそれよりも少ないというのが実情です。

その養育費について、冒頭に紹介した「女性版骨太の方針2024」では、こう述べています。

養育費の取り決めをしていない世帯で40%、取り決めをしている世帯では70%、養育費を受領できることを目指す。

養育費は、相手が素直を払ってくれる形以外にも、家庭裁判所に申立をして、給与から差し押さえてもらうやり方もあります。

会社は、裁判所から通知がくれば、給与の支払い分から養育費をあらかじめ差し引き、支払い先に払う義務があるのです。

そういったことも、この骨太の方針でもっと広がっていくかもしれません。

骨太の方針の内容をみると、「子ども家庭庁」の文字があちこちに見えます。

この新しい省庁が、どのように養育費について広めていってくれるのか。

その一助も担えれば担いながら、応援していきたいと思います。

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