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生産性をあげるのは、個人?組織?AIを脅威と感じるのは社員より経営者との結果も

日本生産性本部が、「第3回 生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」を実施し、従業員300名以上の組織の経営者・社員約3,000名からの調査結果を好評しました。

日本の労働生産性が国際的に低迷している現状(Q5)に、7割超(71.1%)が「危機感がある」と回答しているなど、興味深い結果が見受けられました。

「日本の生産性は危機的」全体的に同意、無駄はなくせる?

まずは、「危機感」調査。
左の赤が今年、右の緑は前回との差です。
全体的に危機感が高まっており、経営層のなかではトップマネジメント、基幹的事業のなかでは製造が、いまの日本の生産性により危機感を感じていることがわかります。

労働生産性が低い原因としては、「無駄な作業・業務が多い」と思っている人が最多。特に経営層より非管理職の割合が高く、過半数がそう思っているようです。
一方、非管理職より経営層は「仕事の仕組みのデジタル化が進んでいない」と思っている割合が高くなっています。
非管理職が「無駄」と思っている仕事がどのようなものかが社内で共有され、話し合う機会があれば、なくせそうな仕事もありそうです。

個人の「能力向上」のあやうさ

個人的に問題だと思うのは、付加価値を向上させるための取り組みについて。
もっとも多いのが「従業員の能力向上」と回答しています。

また、人材育成への投資を増やしている経営層が6割を超える一方、投資を「増やしていない」と答える非管理職は4割を超えています。

増やした人材育成への投資は「従業員のリスキル・学び直しのためのプログラムの実施」が半数近くとなっています。

先日読んだ勅使河原真依さんの『働くということ』では、「能力」というものは環境、組織により大きく変わるあやふやなものだという指摘がありました。

それを思うと、「人を活かす」組織変革についてのコメントがあまりなく、個人の能力についての言及が多いところに、アンバランスさを感じざるを得ません。

生成AIに危機感は、一般社員より経営者

さいごに、生成AIについての調査です。

「仕事を奪う」と騒がれることの多い生成AIですが、意外にも、
「自分のしごとが代替される脅威を感じる」
と回答したのは、非管理職よりもトップマネジメント層が3倍近く多くなっています。

非管理職は「無駄な作業・業務が減り、ワークライフバランスが改善する」と「あまり影響を受けることはない」の回答がほぼ同数で、このふたつで過半数となっています。

脅威を覚えている経営者が多いのは、それだけ情報をリアルにキャッチしていて感度が高いということなのか、それとも非管理職がポジティブなのか。

「無駄な作業・業務が多い」と思っている非管理職にとって、生成AIは、脅威というより、そんな仕事から自分を救ってくれる光なのかもしれません。


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