何度でも読み返したい「風をたべる」

わたしはほんの少し前まで、自分自身を見失っていた時期がありまして、その時期にたまたま、Twitterのタイムラインで見かけたのが、宇垣美里さんの「風をたべる」をおすすめするツイートでした。

サンジャポで活躍していたのが印象的な宇垣さんは、いったいどんなエッセイを書くのだろう…と気になり、Kindleで即購入して読み始めました。

読み進めていくと、わたしにとっての「あるある」や、人から意見されてモヤモヤしていたことに対する答えのようなものが出現して、パズルのピースがパチパチとはまっていくような感覚になりました。

「常に答え合わせをしたがる」病

何が正解かを考えて自分自身を縛るよりも、もっと自由に自分なりの答えを探していきたいな。

例に漏れず、小中高とガリ勉だったわたしも、常に正解を求めて、答え合わせをしながら生きてきたことに気付かされました。

大学を経て社会人4年目も終わりに差し掛かった今は、自分なりの答えを探しながら生きている(つもりな)ので、お節介な言葉を右から左へ受け流して、のほほんと心穏やかに過ごしています。

人の考えにコントロールされないように、自分自身を守りたいものです。

宇宙系アンドロイドの精神

諸行無常。人は皆刺せば死にます。そのような存在を恐れるでない。

バチバチに尖った表現でありながら、最初に読んだときにはクスッと笑ってしまいました。

でも、この言葉を頭の片隅に置いておくと、人間関係に悩んで「落ちる」ことが無くなるような気がします。まさに落ちていた時期にこの言葉を読んで、良い意味で開き直ることが出来たおかげで、胸のつかえが取れ、なんだか救われた気がしました。

人間はたいてい同じ思考回路を持っている

わかりやすい肩書がつくということは、同時にわかりやすい偶像を当てはめられやすいということでもあって。人が考える「らしさ」と違うことをしたら、「え、あなたそういうのじゃなくない?」って眉をひそめられてしまうのは、思っていた以上に怖いことでした。

自分の望みでついた肩書も、人が考える「らしさ」に惑わされて、なんだか鬱陶しい存在になっていた時期がありました。

幼い頃からの憧れだった、地元で一番の旧帝の名前。

確かに、合格するまでは「地元で一番の大学に通っている頭の良い学生」というわかりやすい肩書を手に入れたいと思っていました。高校入学時に大半の同級生が合格を夢見ていた大学ですが、実際に受験して合格したのは片手で数えられる程度で。高校時代、勉学に賭けていたわたしは、どうしても勉学でマウントを取りたかったのです。

ただ蓋を開けてみたら、大学名を鬱陶しく思うこともあって。在学時は、作業系のバイトに応募すると「どうしてこんなバイトに応募するんだ」と採用担当者に眉をひそめられ、なかなかバイトが決まらなかったり。卒業して就職すると、大学名だけで過度に期待されて、重荷に感じたり。

ごめんなさい。正直言うと今は、バリキャリになりたいとか、そんなハングリー精神を持ち合わせていません。どうか、マイペースにやらせてください。

自分のことを目いっぱい甘やかす

世間は厳しい。みんながみんな、自分のことをわかってくれたりなんてしない。人生なんて本来悲しいものだし、人と人との間には絶対に埋められない溝がある。一度心に負ってしまった傷はなかなか治るもんじゃない。でも、だからこそ、そのことに慣れてはいけないと思うんです。何度だって大げさに痛がって、自分で自分のこといい子いい子してあげようよ。

自分のことをわかってくれる人なんてひと握りで。実を言うと、自分が自分のことをわかっている自信すらないです。

だから、あたかもわかったような顔でアドバイスされた日には、わたしのことはそっとしておいてくれと思います。それに、そのときの自分にとっては心無い言葉を掛けられたりもするので「意外と君の言葉に傷付いてるんだよ、わたし」って思いながらその場をやり過ごすこともあります。

これから、もし大きなダメージを受けることがあったら、そのダメージの威力を上回る多幸感を自分にプレゼントしてあげよう。

オタクで何が悪いんだ~!!

あなたが嫌いな、理解できないものでも、救われた人がいるかもしれないよ。

わたしは本当にオタク気質なので、ハマるととことんハマってしまいます。アイドル、俳優、舞台演劇、それから特定のマンガやアニメ、ドラマなど。

エンターテインメントが無かったら、今頃わたしはこの世にいないんじゃないかと真剣に考えてしまうこともあるほど。

だから、わたしが好きな作品やその作品のオタクに関してマイナスな発言をされると「無礼者め!!」と斬りたくなってしまいます。これが厄介か。

でも、これからは、宇垣さんの言葉を思い出しながら「ん~そうかなあ??」ってかわすことにします。何も言っても響かない人にムキになって、エネルギーを使うのは勿体ないと思ったから。

さいごに

なんだかめちゃくちゃ長文の自分語りのようになってしまいましたが、少しばかり鬱憤が溜まっていたので、人の言葉を借りながらやんわり放出してみただけです。とてもすっきり。宇垣パワーおそるべし。

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