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出産した日

12月7日 23時03分
2,858㌘の女の子
予定日超過6日目でした。

12月7日 木曜日 40w6d
朝方4時に目が覚めて、やはりお腹や腰が痛い。
ルナルナベビーの陣痛タイマーで測ると10分を切っていた。
眠いしお昼に近所のとんかつ屋さんに行って、ミックスフライ定食を食べることを楽しみにしていたので、迷ったけど病院へ連絡。来てくださいと言われ、入院バッグへ追加の荷物を詰め込んで夫の運転で出発。

早朝だったため、外も病院も薄暗い。健診の時には立ち入ったことのないナースステーションへ向かい、受付をして、そのままLDR室へ。子宮口が開き始めてるのこと。夫には一度帰宅してもらい、面会開始時間になったらまた来てもうらことに。

結局まだ子宮口の開きが遅いのでLDR室から、いったん個室へ移動。
朝食はしっかり食べ切れた。お昼ご飯の時にはけっこう陣痛がつらくなってきていた。ベッドに座って向かい側の夫がトレーを膝に置いて、私が欲しいと言ったものを手渡しくれるスタイル。食べながら、痛みが来たら夫に「痛い!!持って!」と持っていたお茶碗などを返却する。
だんだんと普通に座って入れなくなり、立ち上がって足踏みしながらお茶碗を持って箸を進めたが、結局ほとんど残した。
助産師さんに、個人差があるのは分かっているが「だいたい何時ぐらいに生まれますか?」と聞いてみた。「だいたい12時間後くらいかな」と返され、じゃあ17時だ、それまで残り○時間…!と自分を励まして過ごす。

そしてまたLDR室へ移動。いよいよ陣痛が激しい。痛い痛いと口にしていたのが、徐々に叫び声になる。今思い返すと人格変わっていたレベルで奇声を発していた。正直何を叫んでいたか、もうあまり覚えていない。
度々夫に「今何時!?」と聞いていたが、18時あたりで「17時過ぎてるじゃん!」と夫に愚痴る。

夜になっても子宮口が完全に開かず、赤ちゃんの体力も落ちてきているので促進剤を使用しても良いですかと聞かれる。促進剤の注意(デメリット?)を説明され、苦しみながら同意書にサイン。
今でさえめちゃくちゃ痛いのに、これからもっと痛くなるの?という恐怖を感じる。
そこから徐々に激痛になり、間隔も短くて、奇声をあげてベッドの上で暴れるようになる。
あまりの痛さに息を止めて食いしばってしまうため、夫が息止めないで、息吐いてー!すー!って言いながら呼吸を促し、何度も励ましてくれた。

夫はずっと手を握っていてくれたのだが、陣痛がきて痛がっている時ものすごく強い力だったという。多分その力は今はもう出せないと思う。

激痛ながらも気持ち悪くなり、吐き気がして、何度も吐く。しっかり食べた朝ご飯の焼き魚やご飯、全部吐いた。そしてまた激痛がきて、身体をよじって泣きながら痛みに暴れ、汗だくだった。吐き気と陣痛に襲われて何が何やら。唾液も頻繁に出て、臨月が来てようやく止まった唾液つわりを彷彿させた。あの時は出産時によだれに苦しまなくて良いんだ!と唾液つわりに解放された喜びを感じていたが、結局よだれは頻繁に出していた。鼻はつまったかと思うと途中でものすごく鼻水が出た。

途中途中に助産師さんが子宮口に手突っ込んで、グリグリするのがめちゃくちゃ痛くて、痛い痛いって叫んでた。
「今何センチですよー!」と声かけてくれて、夫も「進んでるね!あともう少しだよ!」と励ましてくれるが、元気が出ることはなく、さっさと終わってくれ!としか思わなかった。

子宮口全開になり、いよいよお産の体制になった。
そこからはさらにつらい。
どこかのタイミングで破水させますねーと言われ、プチッとされて、バシャッと出てきて、腰まで生暖かい液体で濡れていくのを感じた。
うわ、破水ってこんな感じなんだ、と思った。

まだいきんで良い段階ではないが、激痛が何度も押し寄せて、いきんで良いと言われる前に何度か軽くお尻に力をいれてしまった。
助産師さんにいきみ逃しとして、ボールをお尻に押し当ててもらったら、少しマシになった気がしたが、夫にやってもらうと余計に痛くて
「いい!やらなくていい!痛い!」と叫ぶ。ただでさえ痛いのに、ボールの押し当てがまた痛かった。

分娩台にいるとき、両手足はフリーなのかと思いきや、右腕には点滴?何か針ずっと刺さってて、右手には脈測る装置を設置され、左腕には血圧測定機が装着されて、身動きとりにくい。陣痛がきたときに血圧測定機が作動され左腕がぎゅーって圧迫されたり、暴れて右手の装着がずれて、ピーピーピーって鳴ったり、何が何だか…。
尿意も頻繁にあり、トイレに行く際に起き上がるのもつらい。どのタイミングで陣痛くるかがわからないので本当に怖い。恐る恐る起き上がり、ゆっくりベッドから降りて、点滴?のやつ引きながらトイレへ行くが、そのタイミングで陣痛きたりして、トイレ内で絶叫。壁とかバンバン叩いていた気がする。

どのタイミングが忘れたけど、途中から酸素マスクをつけられる。でもじたばた動いていたのでしょっちゅう外れてて、意味あったのか?って感じだった…。
ようやく「もういきんでていいですよー!」と言われ、陣痛がきたタイミングでそのままいきむ。いきむというか力む。
その際に目をつぶっちゃいけないとか声を出さないようにとか色々注意事項があって、何度も夫に「目開けて!こっち見て!」と目線を合わせてくれる。めっちゃ目をガン開きで見ていたから、この時の私の顔、酷かったと思う。
痛いのに声を上げちゃダメだから(声を出すといきむ力が弱まるそう)、うぐぅぅって唸っていた。
何度も繰り返していると、股から何か出ている感覚に。
夫にナースコールをしてきてもらい、見てもらうが、結局なんだったのか覚えていない。聞こえなかったのかな。

途中から横にいた夫は助産師さんに、頭を支えてくださいと言われ私の視界に見えない後方へ移動する。
分娩台の両サイドにあるバーを握りしめていきんでいたら、助産師さんに使い方が違うと怒られる。痛いしつらいし何度も説明されてようやく引っ張るのではなく、押すのだと理解。肘を浮かせないようにグーっと力を入れてバーを押して、全身いろんな筋肉を駆使し、半年分の便秘を出す勢い。(半年も便秘になったことないけど)

しばらく激痛に耐えながら、何度もいきんで疲労困憊。
助産師さんがお医者さんを呼んでくる。2〜3人の助産師さんたちとお医者さんがザワザワしていた。
「なんだ?何があったんだ?帝王切開になる感じ?」と私もザワザワした。
どうやら普通に産まれるのが難しそう?お医者さんも来て、エコーで赤ちゃんを確認。何度もグリグリされて悲鳴あげて、吸引分娩をすることになった。
お医者さんに「切りますねー」的なこと言われさらっと会陰切開される。ちくっと痛かったが、いろんなところが痛過ぎて、特に会陰切開がめちゃくちゃ痛かったという感覚はなかった。
気づいたらお医者さんと助産師さんの合計5人か6人も集まっていた。
助産師さんに両側からそれぞれ足押さえられて、他の助産師さんは乗っかるようにお腹をめっちゃ圧迫していた。これが陣痛並みに痛い。
そこから誰かの合図に従って陣痛と同時にいきんで、吸引をされる。本当に痛い。とにかく早く終わらせたいとしか頭にない。
1回目、2回目でまだ出なくて、3回目で産まれた。視力が悪いので、ボやーっとしか見えなかったけど、股の下から赤ちゃんらしきものを確認した。めちゃくちゃお腹痛かったし、つらかった。へその緒をいつ切ったとか、胎盤がいつ出たとかは全くわからなかった。
産まれた赤ちゃんはすぐに外に出され、夫も連れ出される。
少しして、綺麗に拭かれた赤ちゃんが私の元に連れてこられた。
隣に置かれた我が子を見て
「可愛い!」とか「お母さんだよ」とかそんな発言は全く思い浮かばず
とにかく疲れていました。放心状態。
助産師さんが明るい声をかけて連れてきてくれたけど、はあ…みたいなリアクションしかとれず。横目に見て、「ちゃんと産まれてる…」「本当に人間が入ってた…」みたいな感想しか出なかった気がする。

朝方4時に陣痛きてからの、産まれたのは23時過ぎ!長かった…。
あとで聞いた話、私の骨盤の形と赤ちゃんの頭の骨の形の相性が悪くて
自然には出てこれなかったそう。それなのに何度もいきんだから、相当痛かったのによく頑張ったねと夫が言われたらしい。

産まれた赤ちゃんはまたすぐ連れ出される。夫も一緒に出ていく。
私はそのまま会陰切開の治療に入る。
結構傷が奥まであるとお医者さんに説明された。
麻酔は打ったらしいけど、チクチク縫われたり糸抜いたり、いろいろされてるの感覚あったし、ずっと痛かった。下半身丸だしで両足開いての固定姿勢で、寒くてつらくて、足や顔、腕が痙攣して、歯もガチガチして、死ぬかと思った。元々身体が硬いので、足を開いているのもしんどい。つりそうだった。しばらくして、もうそろそろ終わったかな?と期待し、あとどれくらいか聞いたら、半分終わったからあと15分と言われ絶望…。ずっと頑張って深呼吸してた。あんなに騒がしかった室内もお医者さんと私二人だけでとても静か。治療道具のカチカチした金属音だけが響く。
下半身の治療から気を紛らわすため、入院食のお寿司を想像しながら「寿司!寿司!」と必死に脳内で自分を励ました。

治療終わってから(0時前後)、私の足が冷たいことに気付いた助産師さんがあっためるもの持ってきてくれて、毛布もダブルでかけてくれて2時間ほどその場で安静に。
治療中外で待機していた夫がまた来てくれる。1時頃までそばにいて、たくさん喋ってからまた明日もあるので、と帰宅してもらう。

お昼ご飯もほとんど食べれず、夜ご飯も抜きで、朝ご飯は全部吐いちゃったので
出産後お腹が鳴る。2時間の休憩前に、夜ご飯って今からもらえたりしないですか…?と聞いたら、おにぎり持ってきてくれた!
温かいおにぎり2つ(どっちも梅干しだった)、カットメロン、温かいお茶をもらい、食べれてホッとする。
2時過ぎに立ち上がれるようだったら、部屋移動しましょうと言われとりあえず立ってみる。歩けそうだったので移動。体力あるねと驚かれる。部屋に行く前に赤ちゃんを抱っこさせてくれて、写真を撮ってくれた。ようやく可愛い、と思える気持ちの余裕ができる。
案内された部屋が綺麗で感動する。

とりあえず歯磨きをしたくて、病院からのプレゼントやアメニティグッズが入った紙袋をゴソゴソ探す。

何だか寒気がする…。と目を覚ましたら、何故か荷物が置かれていたテーブルの上で倒れて寝ていた。
え!?何で!?と焦り、起きあがろうとするが、身体に力が入らずすぐに起き上がれない。ナースコールは向こうのベッド際。
ソファに頭、テーブルに胴体、足はテーブルから宙ぶらりん。
テーブルの上で寝たつもりはく、前後の記憶がないので
人生で始めて気を失うという経験をしたことがわかった。
頑張って起き上がったが、すごくフラフラした。なんとかベッドへ。でも全然眠れなかった。

翌日は全身筋肉痛だった。

よく、出産はつらかったけど、我が子を見た瞬間忘れる、という話を耳にしますが
私は全くそんなことなかったです。
とりあえず私も子供も無事で良かったなとは思いました。

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