ゆるふわ1on1のススメ

コロナの影響でフルリモートがはじまって、もう4,5ヶ月くらいたった気がします。

そんな中で、フルリモート中の開発チームとのコミュニケーションについて色々なアイデアや手法が叫ばれているとも思います。みんな苦労している。

色々な手法がある中で、今日は「ゆるふわ1on1」について自分の備忘録的に残しておこう思います。


筆者紹介

今日は会社の話をするので、仕事の自己紹介をします。個人的な自己紹介は過去のnoteに色々書いてたりするので、そちらをどうぞ。

株式会社ホロラボという会社に勤務しており、アカウントエグゼクティブというなんだかかっこいい名前のポジションにいます。

所謂広告代理店などで言われてるようなアカウントエグゼクティブというよりは、アカウントエグゼクティブの中でも特に社内調整にステータスを振り切っています。

詳細は伏せますが、社内の某チームに所属しており、その中で↑の文脈で仕事をしています。

ここで言いたいのは、あくまでも管理職やマネージャー目線での話ではない。ということです。


ゆるふわ1on1ってなんぞや。

「ゆるふわ1on1」という言葉は、昨日適当に造語した言葉ですが、言葉から分かるように「ゆるふわに1on1(面談)しようぜ!!!」っていう意味です。

1on1

一般的に1on1(面談)というと、給料の査定などの堅苦しく、面談する側からも面談される側、どちらの目線から見てもやりたくないもののイメージかと思います。

※個人差ありますが、個人的にはどちらの文脈でもめちゃくちゃ体力を持っていかれる

また、マネージャー目線で、メンバーから普段口にしないことを聞くために1on1で聞けば完璧じゃん!!とも思われている節もたまにみかけます。


ゆるふわ

一方で、「ゆるふわ」という言葉は、IT系の会社で様々な場面で使われている言葉かと思います。ex.ゆるふわポエムなど

仕事でなにかをやったりするとついついハードルが上がったり、ノウハウや考えていることを発信する文化が形成されなくなったりしてしまいます。

その中で、「ゆるふわ」という言葉を使い発信のハードルを下げることで、社内の発信文化を促すという文脈でよく使われている気がします。


つまり、どういうこと?

少し上で触れましたが、

給料査定や密告などそういった文脈を完全に取り除いた状態で、ゆるふわな感じで1on1をやろう。

ということです。

これは文字で書くととても簡単なことに思えますが、実際実現しようとするとめちゃくちゃ大変だと思います。


なんでゆるふわ1on1をやるの?

冒頭で触れましたが、フルリモートで仕事をし始めてそこそこの期間がたち、その中でいくつか感じていることがあります。

良いところ(ほかにもありますが、今回は以下にスポット)

・フルリモートによって、「今度会ったときに確認すればいいや。」がなくなり、slackなどのテキストコミュニケーションや、teamsなどのツールですぐに確認する文化が形成されつつある。

・↑の理由により、業務に関するコミュニケーション量がかなり増え活発化した。

一方で、良いところが形成されることで発生してしまう気になりポイントがあります。

それは、「廊下話ができなくなった」ことです。

これは、いままで対面したときに意識せずに行っていた特に文脈がなかったりする立ち話のことです。

たとえば、それは

「今日の昼どこいく?

「こんなデモ作ってみたから、体験して感想くれ」

「今週のジャンプ読んだ????まじでやばかったよな!!!!」

といった本当に、なんでもないような会話のことです。

※これらは、そもそもコロナ以前からフルリモートで一切対面の打ち合わせをしていない会社であれば気にする必要はありませんが、絶対数が少ないのでここでは対象としていません。

なぜこれができなくなると問題なのかについてですが、

「業務についてのコミュニケーションが増える実感をしてしまうと、コミュニケーション量が増えたとすぐに錯覚してしまい、業務に関係ないように見えるコミュニケーションがまったく意識されなくなってしまう」

ことが起こることだと思います。

勿論、「仕事は仕事なんだからそういったコミュニケーションは不要」という考えもあります。

ただ、クリエイティブを伴う会社であればそういったくだらない雑談からこそ新しいアイデアが生まれたりすることがよくあることだということが分かると思います。

勿論slackやteamsなどのコミュニケーションで”雑談”が一切ないわけではないですが、自分から発信できるタイプの人間でないとなかなか厳しいと思います。

特にエンジニアであれば、話題が提供されれば(話を振られれば)それに反応するコミュニケーションを取る人は多いと思います。

さらに、現実であれば話をふったりできる人も、slackで特定の誰かにメンションをつけて自分から話題をふれる人は少ないと思います。

また、コミュニケーション時間が増えていると感じるようになりますが、すべてが業務についてのコミュニケーションのため、気付かないうちに「常に会議をしている」ような状態が起きてしまっている場合があります。

そうなると、チームのコミュニケーションは増えているのに、関係性が悪化したり、疲労から集中力の低下や作業効率が落ちてしまったりといったことが起きてしまいます。


少し話を戻しますが、さきほど上げた例をもう一度みて見ると、

「今日の昼どこいく?

「こんなデモ作ってみたから、体験して感想くれ」

「今週のジャンプ読んだ????まじでやばかったよな!!!!」

これらはすべて、どちらか一方が、相手に対して話題を提供して始まるコミュニケーションです。さらに、提供された話題に対してコミュニケーションを行い、そこから別の話題に繫がったりするといった側面があったりします。

でも、こういったコミュニケーションを現実でするときに我々人間はそんなことを考えてはいない。

これこそが”キモ”です。

つまり、「リモートでなくなってしまったのは廊下話だ」ではなく、いまあげたような業務に関係しない提供された話題についてコミュニケーションする機会がなくなってしまったのではないだろうかと考えています。

ここまで読めば「ゆるふわ1on1」がなにを目指すのか、なんとなく分かっている気がしますが、「ゆるふわ1on1」をやる理由は、

業務に関係しない提供された話題でコミュニケーションをする

ゆるふわ1on1はどうやってやるの?

用意するもの

・ゆるふわに話せる空気を作り出せる人間

以上です。

ゆるふわ1on1を実現するために一番必要なことは、口先だけでなく本質的にゆるふわでその場ではなにを言っても問題としない点です。

※勿論悪口やセクハラなどそういった行為を肯定するわけではありません

既存の1on1では、役職などによる上下関係や業務上の上流下流などに囚われてしまい、堅苦しい雰囲気にならないように目指してもすぐに堅苦しくなってしまいがちです。

そのため「ゆるふわ1on1」ではいかにこの囚われを無くすかが重要になります。

どう「ゆるふわ」にするのか?

まず前提として、すぐにどの組織でも「ゆるふわ1on1」は実現できないと思います。そのためにここでは実現するための手法の一つを紹介します。

・社内に社内を調整することにステータスを振り切った役職を作り、普段から信頼関係を構築する

弊社だと、私自身がそのポストに当たりますが私の場合は、会社全体というわけでなくチームに限ります。

別にチームみんな仲良しを目指すのではなく、掃除のおばちゃんや定食屋のおばちゃんといった、なんかわからないけど安心して話せる人を社内もしくはチーム一人にいるようにするのを目指すと良いと思います。

実施している時はしっくりくる表現はなかったのですが、このnoteを書いているときにしっくりくるものがあったのそちらを参考にしてみてください。

なので、「ゆるふわ1on1」は実現難易度は非常に高いものではありますが、

「業務についてのコミュニケーションが増える実感をしてしまうと、コミュニケーション量が増えたとすぐに錯覚してしまい、業務に関係ないように見えるコミュニケーションがまったく意識されなくなってしまう」

を解決するための一つの選択肢であると思います。大変でもそれを実現する価値があると思います。フルリモートでなくなった場合でも一人そういった人間がいることの価値は非常に高いといえ、フルリモートの今こと新しいポストを作り定着する好機と思っています。


実際に実施した「ゆるふわ1on1」

事前準備:振る話題を決めておく

対象:自分が所属するチームメンバー7人,関係者1人

時間:15~30分

形式:1on1(ほかのメンバーからアクセスできない形で実施)

内容:あらかじめ決めておいた振る内容をベースに、脱線してもある程度はそのまま話す。あくまでも対象者からの言葉を重視して途中で切ったりしないように気を付ける。

あくまでもゆるふわなので、がちがちにインタビューみたいにならないように言葉の選択はもちろん適切な量こちらの話もする。

大事なこと:とにかく笑顔を絶やさない。相手の話をとにかく楽しそうに聞く。楽しそうではなく実際にコミュニケーションを楽しむ。

大事なこと:とにかく笑顔を絶やさない。相手の話をとにかく楽しそうに聞く。楽しそうではなく実際にコミュニケーションを楽しむ。

大事なこと:とにかく笑顔を絶やさない。相手の話をとにかく楽しそうに聞く。楽しそうではなく実際にコミュニケーションを楽しむ。

とにかく、いかにゆるふわな雰囲気を作り出せるかが勝負なので、大事なことに書いたことは遵守してください。


実施しての所見(実施中のため後日追記予定)

・最初は1on1で間が持たなそうと感じるが、意外と30分でも短くあっという間の終わる。

・実施している側もゆるい雰囲気で普段話さないテーマで話せてめちゃくちゃ楽しい。

・人によって、話題に対しての捉え方や回答の違いがでてくるので話していてめちゃくちゃ楽しい。

・頻繁に実施するものではないが、大きなリリースの後などそういった節目のタイミングで定期開催してみてもいいかもしれない。

・次回はこんな話をしてみたいというアイデアがわいてきて、テンションがあがる。

・相手から逆に質問されたり、話題を振り返されたりするので、人によっての違いがあり毎回新鮮でめちゃくちゃ楽しい。

・誰かに話題をふられれば人は結構話してくれるので、人に話せずため込んでしまうようなタイプの人とは意識的に別途実施してもいいかもしれない。


注釈

・誰かとのコミュニケーションを本質的に楽しいと感じる人でないと、なかなか厳しいと思います。

私自身は特段技術的に優れていたり営業的なスキルが高いわけでない代わりに、スキルセットとしてこういったことスキルを持っているのだと考えています。

・似たような考え方に以下のような考え方もあるようです。参考にしてみてください。(このnoteを書いているときにゆるふわ1on1が既出の単語かどうか調べた際に見つけました)

最後に

色々な手法がある中で、「ゆるふわ1on1」は私のスキルセットで実現できる手法の一つでしかなく、ほかにもきっといい手法や良く使われている手法があると思います。

そんな中で、このnoteが自分と同じようなところに課題や問題意識を持っている人への手法の紹介になれば幸いです。


それでは、いい「ゆるふわ」ライフを。

山口




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