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初寄席!

この春の異動で勤務先が変わることになり、引継ぎのゴタゴタでひとときの癒しがほしかったのと、江戸家猫八襲名披露興行中だったこと、この日が明確にスケジューリングされている最後の新宿勤務だったことなどの理由から、会社の近くにありながらこの4年間一度も行ったことのなかった末広亭へ4月6日とうとう足を踏み入れた。
わたしの寄席知識は、落語好きの方は皆さんご存知のYouTubeの一之輔チャンネルの寄席入門と演芸場探訪で培われた。コロナ禍を受けて開設されたチャンネルとのことで、これを見てこんな世界があるのかと興味をそそられ、いつか絶対行こうと思いを馳せていた。きっと私みたいに興味をそそられた人は他にもたくさんいるだろうから、コロナ禍で失ったものは多いけれど、得たものも少しはあるのかなと思う。

まずはTwitterで本日の出演者を確認。便利だねー。春風亭一之輔さんが出るのは知っている。おお、今日は柳家喬太郎さんが出られるではないか。ラッキー。

夜の部の開演に間に合うよう時間休を取り、16:20頃現地に到着したら建物前に待機列ができていた。道路挟んだ駐車場の方まで列は伸びている。当日券を買ってスムーズに内部へ。
ほーこれが寄席か。どの辺りがいいのかさっぱり分からず、I列に座る。この後、前に座高の高いお兄さんに座られて視界を遮られることになろうとは…。開演前の間に猫八師匠の手拭いを購入。
以下は本日のラインナップ。
・子ほめ 市助
  確かこれは前座さんがよくやってるネタだ
・駆け込み寺 一花
  女性の噺家さん初めて。ダンナさんも噺家さんなんだって。一朝一門の方。
・ニックス
 恰幅のいい女性コンビ
・つづら泥 一琴
 この辺から前のお兄さんが傾いてきて視界を遮られる…
・紙入れ 扇好
・仙志郎・仙成
 太神楽。棒の上に平らな板を置き、盃等々積み上げたその棒の下を更に棒で支えてるだけでもスゴイのに、加えて棒と棒の間に扇子を挟んで崩さず抜く技スゴイ(文章力無し)
・普段の袴 一之輔
 「頭の基盤の配線が二、三か所切れててデミグラスソースかけて蓋閉めたような男(うろ覚え)」って
・えーっとここは 喬太郎
 不思議ワールド。語り口大好き。
・橘之助
 素敵なお姉さま。
・抜け雀 さん喬
 喬太郎師匠のお師匠だそうで。柔らかい物腰好き。もっと聴きたい。
--仲入り--
・口上 喬太郎/菊之丞/橘之助/猫八/正楽/馬生/さん喬
 先代、先々代のエピソードを交えた心温まる素敵な口上が続く。あんな風に人前で喋れるようになりたい。師弟間のじゃれ合いにほのぼの。ほんわかとした温かな雰囲気に包まれて、どなたかがTwitterで「多幸感」と表現していたが正にそんな感じ。
・手紙無筆 文蔵
 めでたい席には呼ばれなくて仮出所祝いの席とか、のくだりに笑う。渋い。
・片棒 菊之丞
 たおやかーなめらかー
・紙切り(鶯、梅に鶯) 正楽
 まさかの鶯かぶりもさらりと対応。さすがプロ
・猫の皿 馬生
 これも知ってた。
・猫八
 落語ではなくトリを取るってすごいことだと思う。その昔、花王名人劇場でお父さん(もしかしたらお祖父さんも?)を見ていた。芸が綿々と引き継がれていくのはありがたいことだ。

たくさん落語が聞けて、どの落語家さんもそれぞれ味があって、色物さんの芸も素晴らしく楽しい。寄席ってなんて素晴らしいシステムなんだろう。これを年がら年中やっていて、割と気軽にいつでも行ける。前々からお好きな方には何言ってんだと言われそうだが、いやほんと感動した。行って良かった。また行く。

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