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沼の始まりとは

 初投稿です。なぜ投稿したのかというと、最近あるジャンルにどハマりしたからです。

 これまでの人生振り返ると、ストレスがかかると何か別のことに逃避したくなり、常軌を逸して没入してしまう。そして熱しやすく冷めやすい性格のため累々とその残骸が周囲に残っている。
 2年前、親の病が発覚し日に日に病状が悪くなっていった時は、森永乳業のしましまうまうまバーが心の支えで毎日一本食べていた。あのパッケージのゆるさが心に沁みた。いい歳なので、心の安寧と引き換えに悪玉コレステロール値が上がった。
 ある時はゆるキャラにハマった。王道キャラではない、人々の賛同を得られにくいニッチなキャラが好みだ。パンダのシャンシャンが中国に帰る時、別れを惜しむ熱狂的なファンがニュースに度々登場していたが、その気持ちはよく分かる。
 またある時には海外俳優に心を撃ち抜かれ、日本よりも新作映画の封切りが早い台湾へ見に行き、高い洋雑誌を買った。あれはメルカリで売れるかもしれない。非創造的な仕事ばかりしていると反動で何か作りたくなるようで、ハンドクラフト・料理に勤しんだ時もあった。
 そして、今現在は落語にハマり、検索とYouTubeの履歴はそれ一色となった。声質や語り口調が自分好みの落語家さんを探すのが楽しい。きっかけはあの国民的番組、笑点だった。もともと父が好きな番組で、子供の頃はよく見ていたが、ここ最近はほとんど見なくなり、ごくたまに見ると、ああ年配の方向けのユルい番組になったな、と思っていた。それがたまたま一之輔師匠が初出演した回を目撃した。今思えば運命だったのかもしれない(違う)。ああ、なんだかこれまでと違って大喜利がイキイキしている!と感動を覚え、あの人は誰だ!と全く存在すら知らなかったわたしはそこから落語の沼に片足を突っ込んだ。落語は全く知らないジャンルだったので、しきたりや作法も新鮮で、まあ全てが面白くて仕方なくなってしまった。若い頃より自由になるお金を持っているのも手伝って、あれよあれよと初落語会へ赴き、今月は寄席に初めて行く予定で、もう両足沼に突っ込んでいる。そして手ぬぐいにもコレクター魂を揺さぶられている(もともと手ぬぐい好き)。加えて、イイなと思っていた噺家さんが抜擢で真打になられることがこの前発表されたのだ!これはもうズブズブハマっていくしかないだろう。
 ハマる度、余計な知識が増えていく。しかし、仕事には今のところハマっていないのが残念だ。

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