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Psyché💘🦋

大好きな古楽アンサンブル、タロンリリック(Les Talens Lyriques)で大好きなリュリの*プシシェを演奏させていただき、夢のような時間を過ごしました。会場もウィーンのオペラハウスとヴェルサイユの王立オペラ劇場という贅沢っぷり。何もかもに圧倒されてしまって消化するのに時間がかかっています。歴史の香りに包まれて素晴らしい演奏家に囲まれて、フランス語とフランス音楽の美しさに胸がいっぱいになって・・・リハーサル中もコンサート中もふっと気を抜くと泣いてしまいそうになるぐらい、どこを切り取っても【美】が溢れていました。(涙もろかったのは単純に旅で疲れすぎて情緒不安定だったのかも(笑))。今回のコンサートはCDにもなるので出来上がりが待ち遠しいです。

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プシシェはジャン=バチスト・リュリのトラジェディリリックで、原本のテキストは今年生誕400年のモリエールによって書かれたものです。プシシェに限らずモリエールの戯曲はフランス語が魅力的に聞こえるように書かれていると思うし、その言葉を最大限に生かす音づけをしたのがイタリア人のリュリっていうのもすごく興味深いと思う。

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ヴェルサイユのオペラロワイヤルは、実際にリュリやモリエールが公演をした場所ではないけれど、ルイ14世がヴェルサイユを作っている時にすでに建設を計画されていた場所(出来上がったのはルイ16世の時代)で、一歩踏み入れた瞬間に当時の人たちの会話が聞こえるような、当時の空気が香るような、とても不思議な空間です。そんな特別な場所で当時の音を再現する機会に恵まれるなんて、古楽をやってる人間にとってこれ以上の醍醐味はないかな・・・

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ヨーロッパの文化はエネルギーが時にアグレッシブすぎて、私自身が弱っている時は圧倒されて押しつぶされてしまうから、特にパンデミック中に心が病んでいた時は音楽も聞けなかったし弾けなかったし、パリの建物を見るのもしんどかったんです。全く美しいとも思えなくて、むしろ主張が強くてうっとうしいと思ってた。でも今こうやって音楽の美しさに感動できてヴェルサイユ宮殿の高貴な立ち姿にクラクラして・・・前のように大はしゃぎできるようになったのは心が健康になった証拠かなと思います。逆にいうとミニマリズムに憧れていたあの時期は相当疲れていたのかも。その時期のことについては改めて書こうかな。つくづくフランス・・特にパリという街は年取っては住めないなって思う。

でもそんな目の回るようなうんざりするような理不尽なことばかりのヨーロッパ文化の中で生まれた宝石のような音楽は、私の心を深く突き刺します。その音楽を私の職業と呼べるのは本当に幸運なことだけど、この先メンタルヘルスのケアは大切にしないとと思いました。このプロダクションみたいな素晴らしい芸術に出会ったときに、いつでも心が受け入れられるように。今回Psychéが教えてくれたんだと思います🤍Psycheだけにね😉

*日本語ではプシュケー、フランス語ではプシシェと読みます。英語のサイキ(精神・魂・心)の語源。

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