スラウェシ島(インドネシア)での出産2

前話の続き。

夫が助産師さんに私が言った通りに伝えるも、「医師から連絡来てないんですよー」とのんびり返事。

5人の助産師さんが呑気におしゃべりしてる。


我慢できない私。

「どうでもいいから、早く診て!」


助産師さんは「でも、あなた支度もできてないし。サルーンはどこ?」

このサルーンとは、輪っかになった布で、インドネシアでは女性も男性もスカート・ワンピースみたいな感じで使ったりしている、すごい便利なもの。


このサルーンを履いていないから、診ること出来ないっていう。

すぐに出産になるなんて思っていないから、準備した出産一式は車の中に入れたまま。

夫が取りに行ってくると助産師さんに言うと、インドネシア語たいして出来ない私とどうやってやり取りするんだと言って行かせてくれない。


スラウェシの方は、プライドを傷つけたら、もう何もしてくれないので、普段はどんなに何もやってくれなくても助産師や医師に何も言わなかった夫だけれど、この時ばかりは流石に怒る。


急にドアをきつく閉めて、「とにかく診てください!」と助産師さんに言う。


やっとこ診てくれた助産師さん。「あー、少し出てきてるね」

だから、言ったでしょ・・・。


助産師さん:「はい、いきんで」

シーツも何も敷かれていないベットで出産開始。

この「いきんで」が今なのか、いつなのかよく分からない私。

しかもお腹痛くて、いきむって出来ない。


助産師さん:「早く、いきんで。赤ちゃん早く出てこないと苦しくなっちゃうから」


よく分からないけど、なんとか頑張る私。

3回目にして、ようやくタイミングがあったのか、スルって出てきてくれた。


うわー、出てきた〜。

ほっとした私。

「助産師さん、みんなありがとう!!!!」

めちゃくちゃで、イライラもしたけど、この時はみんなに感謝の気持ちしかなかった。

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