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英国在住OLがざっくりと身に起きたことを振り返る(3月編)

3月は上旬・中旬・下旬でざっくり括れないくらい、短い間にいろいろなことが起こりました。全世界が人類の危機と戦っているので、自分の体験を書き残しておこうという趣旨です。完全自己満ですが、興味のある方はお付き合いいただけるとうれしいです。

3月上旬―コロナ対応本格化
イタリア(封鎖地域ではない)で行われる、うちの業界ではわりと大きい商談会の延期が発表(その後キャンセルが決定)。イタリアオフィスの閉鎖を受けて、ロンドンでもリモートワークの準備を開始(全員にラップトップ手配、社内ネットワークへのVPN接続)、取引先との対面の商談はなるべく控え、来客する場合は英国政府が定める自己隔離地域への渡航歴がないことを確認するよう通達される。人の多い駅では非アジア人でもマスク付ける人をごく稀に見かけるようになる。
大学の対応はかなり早くて、3月末の期末テストやそれ以降の授業・今後の修論も全てオンラインで行うことを発表。
前から心配だね、とは言っていたものの、このころくらいから現実的な危機感を伴ってソワソワした雰囲気に。日本でトイレットペーパーが売切続出というニュースを先に見ていたので、私も衛生用品、保存がききそうなスパゲッティや缶詰を備えておくことに…(これが後々の自分を救う…)。

3月中旬―営業自粛の本格化、広がる不安感
ボリスジョンソンは集団免疫論によりあえて都市閉鎖を行わないと発表して批判殺到。欧州の他のオフィスが次々に自宅勤務を始めていたので、うちも希望者は自宅勤務を開始。レストランやパブに行くのを控えるよう発表されたのもこの頃。いずれ飲食店が閉まるのも時間の問題だったので、最後にお寿司を食べに行きたいという日本人の心を満たした。(その翌日テイクアウト以外のサービスを利用できなくなる…。)

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身のまわりで起きた事件でけっこう忘れられないのは、同僚がプライベートでイタリア(当時封鎖されていない地域)に行ったこと。別の同僚から「欧州ではイタリアに行っていた人が感染ルートになっているから、あの子がSelf-isolationせずにオフィスに戻って来るのが嫌だ」とこっそり言われる。2月上旬の日本出張の時には全くなかった外国渡航者に対する不穏な空気が立ち込めはじめているのを感じた。

この状況で旅行は控えた方がいいという共有認識は既にあったものの、彼女は遠距離中の彼氏がイタリア軍の人なので、会えるうちに会っておきたい気持ちもわかるだけに複雑だった。結局会社としては社員のプライベートの渡航まで規制することはできず、会社命令で帰国後は自宅勤務が決定。(個人同士でギスギスするより、会社命令という形になってホッとした)

ロックダウンを前に自宅勤務に移行した会社も多かったので、スーパーは生活必需品の買いおきをする人でいっぱい。日本のニュースを見てこうなることに備えていたので、なんだか未来から来た気分だった…。写真はロックダウン直前のスーパーのトイレットペーパーの棚。

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3月下旬―ついにロックダウン、在外邦人の帰国
3月23日、ついに首相がロックダウンを発表。いつも夕方5-6時のBriefingではなく「8時半から首相の発表がある」という前置きがあったので、ついにこれは来たな…とみんなわかっていた。お家でリアタイ。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-23/Q7NYY4T0AFB401

その後すぐに補償プランも発表され、街中が特にパニックになることはなかったように思う。政府が呼び掛けたボランティア募集に希望者が殺到したり、医療関係者への拍手の時間もみんなが参加したり、イギリスいい国だなぁ…と感激していたところに、チャールズ皇太子や最前線で頑張っていた首相もコロナ陽性に。

このころイギリスの渡航危険レベルが2になり、身近な留学生の友達や帯同家族が帰国しはじめる。私は特に会社から帰国要請が出なかったし、このタイミングで移動して引越しや新居などの心配事を増やすよりも、身動きとらなくてすむならそのほうが安心派だったのでちょうど良かった。

外ではマスクをつけた人・スカーフで口元をぐるぐる巻きにする人が半数強くらい。マスク絶対につけないヨーロッパでまさかこんな事態になろうとは…(ってゆうかみんなどこで買ったんだろう)。

そんな最中、私はついに30歳の誕生日を迎える。旅行はおろか素敵なお店に食事に行くことすらできなくなってしまったけど、これまで無事に生きてきたことやみんなの健康に心から感謝できた忘れられない1日になった。彼が作ってくれたデコケーキのセンスが最高なので再掲。https://twitter.com/maya_0mg/status/1243698441152331778

そして自由に外出できないことをあざ笑うかのように連日めっちゃ天気がいい。曇りでも雨がふってても、あえて「lovely weather」というイギリス人らしい定番な皮肉があるけど、「今日も本当に天気がいいね(外には出られないけどね!)」というユーモアがウェブ会議で散見される。w

原則外出禁止とはいえ、生活必需品の買い物・1日1回の健康維持のための散歩やランニングはOKなので、この頃は在宅勤務が終わったあと家の近くの満開の桜並木をほぼ毎日見に行っていた(それがこの記事のトップ画像)。この先私の身になにか起こったとしても、寿司の食べおさめもしたし、心して桜も見届けられたし、心残りを減らせたよ…。骨の髄まで日本人だなぁと痛感する。

以上ざっくり振り返ってまとめていったけど、特に3月中旬ー下旬は激動だった。一般市民なりに自宅待機の徹底とか寄付とか、自分にできることに努めながら4月も前向きに生活していこうと思います。


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