見出し画像

虫の知らせ3(最終話)

虫の知らせを経験したことがある。
遠い昔、好きだった人の。

そろそろこの体験は手放したい時期に差し掛かっている。
手放すには人に話すのが一番だと思うのだけれど、この手の話は夫には話せないし、友人に話そうにも話す相手を選ぶので、なかなか話せない。
なので、noteでご紹介しようと思う。

虫の知らせ1

虫の知らせ2


もう一つ、地味だけど不思議なことがある。

彼の消息を知らせてくれたのは2度とも同じ部活仲間だったはずだったのだ私の中では。
彼の兄と、その部活仲間は現在も親交があるために彼の消息を知ることができた。


しかし、2度目の知らせをその仲間がしてきた際、亡くなった彼が病気だったことは今まで全く知らなかったと言ってきた。


つまり、1度目に知らせ(彼が病気で手術を受けたが快方に向かっているという知らせ)たのはその子ではないということになる。


しかし、この友人の他に彼の消息を知る手立てが私にはないので、絶対この友人から言われたはずなのだ。

ことの真相はまだ謎のままだ。


以上が虫の知らせ体験だ。


最後に
それにしても、どうして私が彼の虫の知らせを受け取ったのだろう。
まるでわからない。


ただ、私にとって彼はずっと憧れの存在であり、想いを伝えられなかった後悔が痛みとして残っていた。
そんな彼のことは今でもやっぱり生きててほしかったと心から思う。

彼は、中学から始めた吹奏楽を極めた人だった。高校も大学も、吹奏楽の名門中の名門校に進学した。それはもう寝る間も惜しんで音楽に明け暮れた人生だったと思う。


きっとそこで素晴らしい仲間と出会い、素晴らしい音楽と出会ったんだろう。

彼の人生のほんの一瞬でも関われたことをとても嬉しく思う。


知らせてくれてありがとう。
できれば生きてるうちにもう一度会いたかった。

これからも一生忘れないよ。
どうか安らかに。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?