はじまりの場所でSOMOSOMOを観た
基本的にはサブスク派ですが、時と場合によりCDも購入します。
宮前めい(@miyamae_games)です。
「音楽」と「場所」、この2つは常にリンクして強烈に記憶に刻まれる。あの瞬間、あの場所で耳にした音楽。目にした風景。吹いていた風の匂い。あくまでも個人的な感覚ではありますが、これまで足を運んできた幾多のライブを思い出す際、このようなカタチで記憶を呼び起こすことが多々あります。そしてその記憶は、再びその場所を訪れた時、無意識のうちに「過去」と「現在」を重ねてしまうのです。
2021年9月7日、私はSOMOSOMOというグループのライブに足を運びました。ライブ観覧エリア自体は無料で開放されているものの、前方での観覧やチェキ等の特典会に参加するには指定のCDを購入する必要があるといういわゆる「リリイベ」というヤツです。今回は2ndフルアルバム『Reason for living』発売記念として、タワーレコード渋谷店の屋上エリアで開催されました。
この「タワーレコード渋谷店 屋上エリア」、通称「スカイガーデン」。実はこの場所、私がアイドルの特典会に初めて足を運び、いわゆる「チェキ」を初めて撮った場所でした。
- まだ一眼カメラを始める前、iPhone6で撮影した初めてのライブ写真 -
2018年4月7日、今はもう解散した「BiS」(※現在活動中の第3期「BiS」とは別の第2期時代)のリリイベ。当時の私は雑記ブロガーとして活動する中で伸び悩んでおり、このリリイベ参加も当初は「ブログのネタになればいいな」くらいの軽い気持ちで参加したことを覚えています。2期BiSに関する思い入れは以前に下記noteで記事にしているので、ここでは端折ります。
んで、このリリイベで生まれて初めて「アイドルとの2ショットチェキ」を撮影。わずかな時間で会話を成立させることはかなり難しく、もともとコミュ障な私ではライブの感想も満足に伝えられないなと思って始めたのが「ライブの感想をブログにアップする」という行為。気持ち程度にエゴサワードを混ぜただけだったのであまり期待はしていませんでしたが、約2週間後の2回目のチェキで私のことを覚えてくれていただけではなく「ブログ読んだよー!」と言ってくれたのがありえんほど嬉しかった記憶があります。そこから気付けばほぼ毎週BiSのライブに足を運び、欠かさずライブレポート記事を書くように・・・と、こんな感じでアイドルオタクとしての人生が始まってしまった「はじまりの場所」がタワレコ渋谷店の屋上でした。
- オタク1年生感がすごい初めてのチェキ -
あれからいろいろあって約1年前にアイドルオタクから一度足を洗い(3ヶ月前に結局オタク再開しちゃってるけど)、「あの場所」でライブを観ることはもうないだろうなと。最後にこの場所でライブを観たのは、2019年3月21日。「BiS69H」という、2期BiSが解散する2ヶ月前に行われた69時間ぶっ通しのライブイベントの最中。この時も「あの日」と重ねてBiSのライブを観ていた、そんな記憶が残っています。そして、これが「この場所」で観る最後のライブになるかもしれない、と当時は思っていました。
- アヤ・エイトプリンス(ex.BiS 2019年3月21日撮影) -
そのはずでした。これが最後と思っていたあの日から約2年半経った、2021年9月7日。SOMOSOMOのライブを観るために、私はこの場所に戻ってきていました。奇しくも同じ「7日」。更にイベント当日、発売日であったSOMOSOMOのアルバム『Reason for living』がオリコンデイリーチャート初登場「7位」を記録。
- 原点に帰って同じiPhone6で撮影した写真 -
SOMOSOMOと2期BiSは当然まったく違う別グループなので、比べようとは思いませんしどちらがどうとかいう話をする気は一切ありません。ただこの瞬間、私の中の「過去」と「現在」がリンクした。今の私が好きなグループが、タワレコ渋谷店屋上という「同じ場所」でライブをしている。出会った時期も楽曲もライブスタイルも違う彼女たち、それでも伝わってくる音楽はあの日のように・・・いや、あの日以上に鮮烈で心に刻み込んでくる。怖くてアイドル現場に行けなくなってた時期にMVを繰り返し見ていた「リバティマリオネット」が始まった時、シャッターを切りつつ涙が溢れるのを必死にこらえていました(「群青のパレード」の時も割とヤバかった)。
"這い上がる理想 忘れてく思想 だからいつもどこか
憂いを帯びたままを願う 慣れてしまわないように、って"
- ツクヨミ ケイコ作詞、SOMOSOMO『ネバーランド』より引用 -
経験や歳を重ねていくと、ついつい懐古してしまいたくなるもの。「あの頃は良かった」と振り返るのはカンタンだけど、それだけじゃ今は変わらない。現状に甘んじるな。過去に満足し美化するのではなくて、今に憂いを抱き続け常に上書きして忘れていかないと。「世界を変える」には、振り返ってるヒマなんてない。そう考えていました。
でも、この歳になって少しだけ考え方が変わり始めました。BiSをきっかけにアイドルのライブに通うようになったのも、何もかもが苦しくなりアイドル現場を「他界」したのも、そしてまたDDとしてアイドルのライブ現場に復帰できたのも、目まぐるしく過ごした日々から距離を置き「現在」を嚙み締められるようになったからかもしれません。
「過去」の記憶は無かったことにすることができないし、変えることもできない。楽しかった幸せな思い出も脳裏に潜み未だ苦しめるトラウマも、それは同じこと。でも、更新し続けることはできるはず。以前の私が考えてた強引な上書きではない、もっと過去を大切にできる方法で。
その答えが、"今を噛み締める"ことなのかなと。私にとっての「はじまりの場所」、過去に置き去りどこか忘れようとしていた感情があった。そんな過去を無意識に重ねてしまい、新しい音楽によって記憶を呼び覚まされたからこそ、現在の尊さに気付き、その結果目の前のライブに心を動かされた。
自分にとっての"理想郷"は何なのか、正直言ってわかりません。というか、あまりにもテーマが壮大すぎて一生考えても私には答えが出せないでしょう。アルバムタイトルにもなっている『Reason for living』の意味は、生き甲斐。表題曲(実質的に)のタイトルは『ネバーランド』、つまり存在しない場所。そんな「存在しない理想郷」を見せてくれる、時には方向を示して生き甲斐を与えてくれるものが「過去と現在」であり、その積み重ねがリンクする場所こそが「ライブ」であると改めて感じました。
- 『Reason for living』改めてオリコンデイリー7位おめでとうございます -
このアルバムの最後に収録されている『ネバーランド』という曲について、作詞したメンバー・ツクヨミ ケイコさん本人が歌詞に込めた思い入れをnote記事で語っていますので、こちらも合わせて読んでください。
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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