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特別な銅板の扉ーリフォーム工事

空いた時間を全て資格試験に注ぎ込んでいまして、久しぶりの工事記事です。皆さまお変わりないでしょうか。

真建築のお客様のお宅は、リフォームを経て、良い意味で「お変わり」になられていらっしゃいます。

今回は、7月にリフォームを完了されましたお家の、特に素敵なポイントをご紹介したいと思います。


ー銅板の扉ー

奥様が以前、大変気に入られた建築物に使われていた銅板。特別に取り寄せたそうですが、これまで使える機会がなかったそうです。

何度目かの打ち合わせ時に、そちらの銅板を手に入れるまで、そして今も手元にあるストーリーを聞かせてくださいました。


銅板6枚

とても思い入れのある品と分かり、リフォーム中にうまく使って差し上げたいと思うのですが、どちらかと言えば和風のお宅にこちらの銅板を組み込むアイデアがなかなか見つかりません。

しかし、何度か聞いたお話がどうしても頭から離れず、最後の収納扉を作る際に「こちらの扉に組み込まれてはいかがでしょうか?」とご提案させていただきました。

この機会を逃したら、今後、思い入れのある品を使える機会がなさそうな気がしたからです。

そして、その収納扉は普段人目に付く場所ではなく、お部屋との調和も大きく乱さず、最後のチャンスと思ってのことです。

そこからは、まず弊社林に相談し、ここならばとOKが出て、奥様と扉作成へ向けて動き始めました。


銅板に合う色を探しました。

扉の色の検討から入ります。銅板には濃い茶色が合いそうですが、部屋との調和を考えると、もう少し薄い色がいいのか。。。色は大きなテーマでした。


建具屋さんからの写真

色の選定に加えて、

銅板をどう配置するか、何枚使うか、扉の種類は何にするか。銅板の配置にも時間をかけました。

横並びにするか、千鳥に配置するか、また、銅板の上下に中桟を置くか、シンプルに銅板だけ並べるか。

上下の空きはどの程度にするか。こちらは我らが細野木工さんが、バランスを考えに考え、色々なアイデアを捻り出してくれました。

最終的に20パターン近いのアイデアを図面に起こしてくれ、それを奥様がお選びになります。

とはいえ、図面だけで実際に扉をつけた時のイメージを持つのは難しいもの。最終的にはシンプルに中桟はなく配置は千鳥に決まりました。

次に難しかったのは、塗装です。

扉には無垢材を使用することになり、信頼のタケナカ塗装さんに見ていただくと、横の柱が上・中・下の箇所で色が違うことがわかりました。

タケナカ塗装さん

確かに、塗装のサンプルを並べてみると、驚くくらい上下で色が違います。

「3色グラデーションで塗りましょう!」とこともなげにタケナカさん!

そ、そんなことが可能なんですか?

「はいっ!」

さ、さすがですっ!

※タケナカさんは本当にすごくて、上の鴨居もその場でささっと塗ってくれました。目がいいのか、本当にプロってすごい。

色々な過程を経て、完成した扉がこちらです。


とても自然ですが3色、扉の上中下で塗装の色が違います。
取手も調和していますね。

やだ、もう、ずっとそこにあった扉のように調和している。。。

奥様のお選びになった取手も扉によく合い、建具屋さんと塗装屋さん、そして奥様の銅板が調和した本当に素敵な扉が出来上がりました。

今回のリフォームは、このほかにも大工さんたちの造作、職人さんたちのお仕事、カーテン、奥様の決断の速さと思い切りの良さなど、随所で記憶に残る工事でした。ありがとうございました。

また、後日機会があったらそちらも記事に上げさせていただきたいと思います。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。


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