見出し画像

ヒマは大事だ(この1年の振り返り)

2023年5月2日、アメリカ脚本家組合(Writers Guild of America, WGA)がストライキに突入してから1年が経ちました。

私の会社はこの10年近く、ハリウッドで書かれた脚本の翻訳というニッチな仕事を数多く手がけてきたため、ハリウッドの脚本家たちが筆をさしおいた途端、多くの企画が中断を余儀なくされ、私たち翻訳者の仕事もなくなりました。

ストライキ自体は5カ月間でしたが、終わってからも混乱は続き、のべ10カ月の閑散期を初めて経験。当初は「このような憂き目に遭うとは…」と嘆いたものです。

前提として、ストライキ前の5年間は、2020年のコロナ初期を除いて常に複数のプロジェクトが同時進行しており、寝る時間以外ほとんど仕事をしていました。それが突然、"半失業”状態になったのですから、適応するのにずいぶん時間がかかりました。

しかしあれから1年がたち、あの事件はむしろ天恵ではなかったか、と思うようになりました。およそ10か月の半失業期間に学んだことや得たことをまとめると…

”半失業”状態で学んだこと

・自分には思考力がないと決めつけていたが、実は考える時間がなかっただけだった
・何度も読んできた『7つの習慣』の第二領域の偉大さがようやく分かった
・時間の余裕=心の余裕 だった

”半失業”状態で獲得した習慣とその効果

・新聞をちゃんと読むようになり、(ぼんやりとでも)先が見通せるようになった
・収入減の対処法として自炊を増やしたら、毎四半期に受けている血液検査のスコアが大きく改善された
・大好きな趣味を復活させたら、QOL(Quality of Life)が爆上がりした
・断捨離を実行したら、頭の中まで整理された

フリーランスで翻訳をやっていた頃からずっと、ヒマが怖くて、ヒマは悪だと思い込んできました。固定観念にがんじがらめになって、前が見えなくなってしまっていたんですね。まさかヒマがないとできないことが、こんなにたくさんあるなんて… 

「ヒマはかけがえのないものだ」という事実に気づいてから、Free Time Matters(ヒマは大事だ)をモットーにするようになりました、というお話でした。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?