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Cinema 4D 26.1アップデートがリリース

Maxonは、サブスクリプション製品の価値を常に高めることをコミットメントとしています。その一つとして、Cinema 4D 26.1のリリースを行いました。今回のアップデートは問題の修正や安定性の向上だけでなく、新機能や改善が含まれています。

クロスシミュレーションの改善

クロスシミュレーションは、安定性やパフォーマンスが向上しました。さらに、衝突タグに衝突判定する面の指定ができるようになりました。

従来は、衝突判定がポリゴンの両面になっていたため、クロスが一度めり込むとめり込んだままでした。例えば、キャラクターの脇の下など腕と体が密接する部分ではどうしてもめり込みが発生するため、めり込まないようにモーフやFFDなどでアニメーションを調整する必要がありました。

しかし、26.1では衝突判定を片面のみにできるので、一旦ベースの形状が交差しても交差が解消されるとクロスのめり込みが解消されます。

以下のアニメーションは、同じシミュレーションを26.0とS26.1で比較したものです。脇の下と太ももの部分のめり込みが解消されているのがわかります。

左が26.0、右が26.1

上記のような手と太もものケースであれば、腕のアニメーションを修正すべきですし、修正もアニメーションレイヤーなどを使えばそれほど難しくはありません。しかし、脇の下と体を厳密に交差させないように修正するのは大変です。この衝突判定面を片面のみにすることで、こうしたエラーが簡単に修正できます。

ノードエディターの改善

ノードエディターもパフォーマンスとワークフローが改善されました。

新しいワイヤースタイル

これまでは、ノードの接続ワイヤーは最短でしか接続できなかったため、複雑なノードになると、どこに接続されているのかが、わかりにくいという問題がありました。今回のアップデートで、ルートを変えたり、途中で分岐させることができるようになり、ノードの可読性があがりました。
Ctrl/Command+クリックでリルーターが追加できます。

ドラッグ&ドロップでの挿入

接続されているノード間に別のノードをドラッグ&ドロップで挿入できるようになりました。挿入可能な場合は、ワイヤーがハイライトします。

細かな改善

細かな改善として、選択ノードの上流や下流のノードが選択できるようになりました。

モデリングツールの改善

ボリュームモデリングの改善

ボリュームが改善されました。OpenVDBのライブラリが新しくなったことによりパフォーマンスが向上。さらに、ブールの角をラウンドさせることができるようになりました。
オブジェクト単位でブールの半径を調整できるため、これまで以上に詳細なモデリングができるようになりました。

ご覧のようにメタボールのような効果を出せます。

フィールドの曲率のサポート

フィールドの設定に、ポリゴンオブジェクトの曲率が選べるようになりました。頂点カラーや頂点ウェイトなどで、曲率が指定できるので、マテリアルのマスクやオブジェクトの角にだけ、クローンを配列させるといったことができます。

ブラシとマグネットにリラックスモードが追加

ブラシツールとマグネットツールにリラックスモードが追加されました。これは、ポリゴンのトポロジーを整えるモードで、輪郭を極力保ったままメッシュの密度を平均化します。

スムーズも、メッシュの密度を平均化しますが、形状まで平坦化されてしまいます。リラックスモードは、形状を保ったままメッシュをリラックスさせるので、トポロジーを整えることができます。クロスシミュレーションさせるオブジェクトのトポロジーを整えるのにも使えます。

Magic Bullet Looksが最新版に更新

Cinema 4Dに搭載されているMagic Bullet Looksが最新バージョンになりオプティカルディフュージョンとハレーションのエフェクトが適用できるようになりました。

オプティカルディフュージョン

オプティカルディフュージョンは、実際のレンズフィルターのディフューザーのような働きやグロー効果を出すことができます。

CG臭さをなくすようなやわらかい印象を出すことができます。実際のレンズフィルターをシミュレーションしているので、フォトリアルな作品ならよりリアルな印象を与えます。
ご覧のサンプルのようにかなり空気感が出ているのがわかります。

ハレーション

ハレーションは、フィルム撮影したときに光が強いところでは、光がフィルムで反射して感光面に影響する現象で、明るいところににじみが発生します。本来ハレーションはフレアとは異なり、デジタル発生しません。このエフェクトを適用することで、アナログチックで印象的になるので非常に効果的です。

以下の比較画像見ていただくとわかりますが、コントラストの高い部分より自然に感じられます。

このように、Cinema 4D 26.1は魅力的なアップデートになっていますので、ぜひアップデートしてお試しください。