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元芸術家が180日間で180のサイトを構築してYコンビネーター・フェローシップ採択起業家になる方法

本投稿はジェン・デウォルト氏が2016年3月16日に彼女のブログに投稿した、「How I Built 180 Websites in 180 days and became a YC Fellowship Founder」を翻訳したものです。

ジェン・デウォルト氏は、GitHubを使ったプロジェクト管理のツールを提供するスタートアップであるZube (YC採択)のファウンダーです。元々芸術家であり全くコーディングに触れることがなかった、彼女がどのようにして、フルスタックプログラマー兼起業家というキャリアを歩むようになったのか面白いお話がありましたので、日本語化して紹介します。以下、記事の日本語訳です。

私はY Combinator Fellowship W16に採択されたスタートアップの創設者です。3年年前は、コーディングの方法をまったく知らなかったので、少し非現実的に聞こえるかもしれませんが、これは私がここまでたどり着いた経緯と、その過程で学んだことの物語です。

180日間で180のウェブサイト - 裏話(選択と集中)

私は180日で180のウェブサイトを構築することによって独学でコーディングを学びました。 1日に1つのウェブサイトを構築することに、私の人生を6ヶ月間使いました。私がこのプロジェクトに取り組むために仕事を辞めたと聞いて、人々はしばしばとても驚きますが、もし仕事をしなければいけなかったとしたらコーディングを学ぶ方法がないことがわかっていました。

私はかつて芸術家でした…ある種。私は物を作るのが大好きで、芸術を勉強することにしました。芸術は私に構築と創造の仕方を与えてくれました。私の頭の中は若々しい楽観主義で埋め尽くされてました、またたくさんのローンを持って美術大学院に行きました。私は芸術作品を作るのに、そこで2年を費やしました - 教授が言うように私の心の声に耳を傾けました。 - そして卒業した時、私は貧乏でした。お金を稼ぐ必要がありましたし、作品を作る十分な時間がとれるバーテンダーを始めました。

しかし、私は間違っていました。

日々の集中すべきことを分割しなければならなくなり、それは私が望む作品を制作することを非常に困難にしました。しかし、作品制作を「やめる」ことは決してありませんでしたが、本気で芸術に自分の時間を十分に投資していないないと感じ、創造性の空白を埋めるために他のことを始めました。ターニングポイントは、iPhoneアプリのUI / UXで友達を助けたときでした。その後私は夢中になり、自由な時間に他のいくつかの技術プロジェクトを手伝いました。

デザイン面での作業をすることは楽しく、もっとやりたいと思いました。自分が取り組んでいるものを実際に作りたいと感じていました。そのためには、自分自身を完全にコミットしなければうまくいかないことを知っていたので、仕事を辞めてコーディング方法を学ぶことにしました。すぐに辞めるには十分なお金がなかったため、数か月はお金を稼ぐことに集中しました。ようやく十分なお金が貯まった時、コーダーになるという夢を追いかけるために私は仕事を辞めました。

180日で180のウェブサイト - 行うことによって学ぶ

当初は計画してませんでしたが、コードの学習に成功するにはできるだけ多くのコードを作成する必要があることはわかっていました。最初は、大きなRailsプロジェクトに飛び込むことを考えましたが、初心者としてはそれはとても困難に思えました。



「1日に1つの小さなウェブサイトを毎日作るとしたら、いくつ作ることができるだろう」と自問しました。 180が私の頭にふと浮かびました。それは完全にクレイジーに思えましたが、素晴らしい挑戦のようにも思えたので、私は自分のためにいくつかのルールを設定しました。

私は1日1つのウェブサイトを毎日180日間作成し、サイトごとに毎日短いブログを書き、すべてのコードをGitHubに公開することにしました。

毎日何かを作り終えて翌日再び作り始めなければならないという試練を自分に課して、毎日ウェブサイトを作ることにしました。これは、毎日何かを終えるということで目的を達成した気分になる効果があったりや、締め切りがあるため、細部までこだわってウェブサイトを作ることが出来ないという原因になりました。ひたすら毎日作成を続けてローンチする限り、細かい部分で何が起こっているのかを、自分自身で理解しているかどうかは関係ありませんでした。

私がこのプロジェクトで作った最初のウェブサイトはかなりくだらないものでした。最初のウェブサイト、つまりこのプロジェクト自体のホームページSilly Kitty)し 、69日目に超シンプルなrailsアプリを作りました(Day 69: Leave a noteHow We’re Feeling)。

180のウェブサイトプロジェクトの構築により、私は急速に成長することができましたが、多くの人がこう指摘しました。「1日で実際のウェブアプリケーションを構築することはできません。実際のフルスタック開発を行うのははるかに複雑です!」。彼らは正しいと感じて、180のWebサイトをすべて構築し終えた後、YumHackerを構築することにしました。

YumHacker - 本物の何かを構築する

180ウェブサイトプロジェクトの後、プログラミングに関して広く浅い知識はありましたが、何か一つのことを専門に熟練してる訳ではありませんでした。本格的なウェブアプリの構築とはどういうものかを知りたかったので、基本的には食べ物のソーシャルネットワークであるYumHackerというレストラン発見ウェブサイトを構築することにしました。 YumHackerを構築することにより、たくさんの探索すべきことが新しく見つかりました。最小限の実行可能な製品(Minimum Viable Product)を作成するためには、APIアーキテクチャ、ジオロケーション、クライアント側のMV アーキテクチャ、およびメモリ管理について学ぶ必要がありました。YumHackerのような完全なWebアプリを構築することは、 1日での構築プロジェクトとは別の意味でも異なるものでもありました。 私はYumHackerを成長させたかったのです。 MVPをリリースしたとき、フィードバックはまちまちでした。多くの人が気に入ったと言ってくれましたが、分析を見ると、アクセス数は良くありませんでした。そして、そのようなコーディングにまったく関係のない新しい 課題がありました。

YumHackerの重要な点は本格的なWebアプリの構築方法を学ぶことであり、私はすでにそれを達成していましたが、プロダクトと成長の課題を発見するために、運営を続けることにしました。当時、食べ物のソーシャルネットワークを作ることは人々の共感を呼んでいないことは明らかだったので、YumHackerを食べ物のBuzzFeedのように作り直すことにしました。私はSEOとコンテンツマーケティングについて学び、ロングテールのSEO対策を実装しました。戦略は機能していましたが、Googleでのランキングの推移はとてもひどく、ゆっくりとした成長でした。

私はウェブサイトの成長を楽しんでいましたが、食べ物に関するメディア企業を作ることに情熱を持っていなかったので、YumHackerをやめて、自分が情熱を注いでいたプロジェクトに参加することにしました。

Wit.ai - グロースハッキング

YumHackerを始めたときの目標は、フルスタックの開発に慣れることでした。しかし、その過程で私はグロースハッキング(利用者数を増加させ企業を成長させるインターネット技術)にも興味を持つようになりました。フルスタック開発とグロースハッキングのどちらを追求すればいいのかわかりませんでした。

私はたくさんの小さなスタートアップに連絡を取り、そこにどんなポジションがあるかを確認しました。最終的に、私は本当に難しい決断をしなければなりませんでした。私は素晴らしいフィンテック企業のフルスタックRuby on Rails開発を行うポジションと、基本的 Siriの提供をしているWit.ai社のグロースポジションのオファーを受けました。 私が最終的にWit.aiを選んだのは、彼らのビジョンが好きで、会社の成長を支援したかったからです。

Wit.aiでの私の時間はかなり短いものでした。 Wit.aiは、私が入社してからわずか5か月でFacebookに買収されました。買収は私にとってほろ苦いものでした。私はイグジットされた会社の成長を手伝ったこともありましたが、一方で、Wit.aiは月々の成長が持続し、何をしなくとも更に勢いを増してきました。私はそれほどFacebookで働きたくなかったし、Facebookは駆け出しのグロースハッカーを求めていなかったので、結局私はわずかな退職金を受け取り、会社を去りました。

Zube - 会社を設立する

私はもうWit.aiにいなかったので、Zubeと呼ばれる開発者向けのプロジェクト管理ツールを構築することにしました。このアイデアは、GitHubの問題の管理に苦労していたWit.aiの開発チームと協力した私の経験から生まれました。約1か月のコーディングの後、共同創設者のアーロンを説得し、会社が誕生しました。

会社を設立することは、私の過去のプロジェクトとは違ったことでした人々が望むものの作成に夢中になっている必要があり、顧客と緊密に協力することに興奮している必要があります。目標は以前のプロジェクトよりもはるかに抽象的だということも違う部分でした。確かに、最初の売上げ、初めてのの雇用、ベンチャーキャピタルからの資金調達、IPOなど、達成したいことが山ほどありますが、それらは実際には単なるマイルマーカーでしかありません。 Zubeの目標は、マイルストーンを達成することではありません。目標は開発チームを幸せにすることであり、それはある瞬間に制約されるものではありません。

他のスタートアップと同じように、Zubeには浮き沈みがありますが、Zubeのビジネスに取り組むには、私が自ら全てを行う必要がありました。私はようやくZubeを自分のホームだと思うようになりました。 YCコミュニティは私のキャリアの大きな部分を占めています。 PG(ポール・グレアム)のエッセイから起業家精神を追求するよう刺激を受けました。私がコーディングの方法を学んでいたとき、Hacker News(ベンチャー関連のソーシャルニュースサイト)のコミュニティは非常に励みになり、Wit.aiで働くことで素晴らしい開発チームから学ぶ機会が得られました。そして今、現在のYCフェローシップの一部として、YCは私たちにたくさんの協力的なアドバイザーと仲間の素晴らしいネットワークを与えてくれました。

最終的な考え

コーディングを学びたい、または起業家になりたい場合は、独自の道を見つける必要がありますが、これら4つのアドバイスを提示したいと思います。

1.目的を持って仕事を辞める
転職であろうと会社の設立であろうと、何か大きなことをしたいと思っているなら、成功するためには目標に100%集中する必要があるでしょう。ある時点で、大きな飛躍を遂げて仕事を辞める必要があります。飛び上がって「じゃあね!」と言うべきだと言っているわけではありませんが、計画を立ててそれを実行する方法を理解する必要があります。

2.些細なことにこだわらない
道路の小さな凹凸に悩まされるのは簡単です。進歩を遂げるためには、前進し続けることが重要です。前進し続けるために必要なことは何でもしてください。

3.好きなことをする
本当に情熱を注いでいることをしていることを確認してください。自分が取り組んでいることを信じていない場合、成功するのはかなり難しいでしょう。

4.仲間を見つける
共感する人に囲まれましょう。起業家は孤独な職業ですが、あなたにアドバイスを与え、それを必要とするときに厳しい愛を尽くし、あなたをサポートすることができる人々のネットワークを持つことは、他との差別化の要因になります。

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