見出し画像

谷川岳に登ろう 〜 俎嵓

秋岳は色を落として。

2021年10月31日(日)

群馬県みなかみ町/新潟県湯沢町

昔々、谷川岳と呼ばれていた山はどうした事か間違いから近くにあったトマ・オキの二つ耳に名前を取られてしまったのです。
名前を無くした山は今、俎嵓 まないたぐらと呼ばれています。
かつてはその頂きへ続いた道がありましたが、長い間、笹に埋め尽くされ消えていました。
しかし今秋、永年の時を経て道が拓かれたのです。
谷川岳は10月18日に初冠雪、さらに21日の降雪で山頂部は数十センチの積雪となりました。
11月の初旬は好日の天気予報となっていたのに、山の天気は当日でも変わりますからね、先に延ばしてチャンスを逃しては悔いが残ります。
今日は朝から曇天の空模様、しかしここ数日は良い日が続いて雪も少し解けた様だしね。
「ならばやるしかないでしょう!」
念の為にクランポンとアイスアックスを背負い、
雪山装備にて西黒尾根から入山しました。

谷川岳登山指導センターのHPはこちら⬇︎⬇︎⬇︎

⛅️曇りのち晴れ 🌀軽風 🕙10h18m
🐾39,031歩 17.3km ⇅1875m
♨️谷川温泉 湯・テルメ 630円

6:05 谷川岳インフォメーションセンター⇒
西黒尾根⇒トマの耳⇒肩の小屋⇒オジカ沢ノ頭
⇒俎嵓⇒肩の小屋⇒天神尾根⇒田尻尾根⇒
谷川岳インフォメーションセンター 16:18

谷川岳ロープウェイ下の臨時駐車場が再整備されて、今年の6月に谷川岳インフォメーションセンターが新しくオープンしました。
駐車場は広く、終日開放されていて綺麗なトイレも有りますよ。
冬季は閉鎖となる様ですが、利便が良さそうです。

             HPはこちら⬇︎⬇︎⬇︎

冷え込みも無く薄雲の隙間から朝陽が射し込んできて、気持ち良い朝になりました。
駐車場には30台程の車が停まっていて、ちらほらとハイカーさんが歩き出して行きます。

6:05
谷川岳インフォメーションセンター
Let's go!

6:17
谷川岳登山指導センター
登山届けを提出して行きましょう。

6:25
西黒尾根登山口
久しぶりに西黒尾根を登ります。
前回はいつ頃だったかなぁ。

6:40
送電鉄塔
天気予報では日中は曇り、その通りに朝陽が曇天に消えてしまいました。

色づく木々を見ながら樹林帯の急登を励みます。
鎖場が出てくると低木帯となり、少しずつ展望が広がってきましたよ。

曇天空になりましたが、雨は降らなそう。
南風が吹き抜け、汗をサッと乾かしていきます。

8:07
ラクダの背
二つ耳が近づいてきましたね。
西黒尾根に雪はほとんど無いですが、岩場は雪解けで濡れています。
スリップに注意して登って行きましょう。

厳剛新道はかなり荒れている様です。
来シーズンは久しぶりに歩いてみようかな。

岩場の急登を頑張りますよー。
「ホイサッサ!!」っと。

氷河の跡でひと休み。
「アララっ!」お客さんが来たけど、
「君、大丈夫か!?」

8:47
ザンゲ岩
ここまで上がれば山頂まであと少し!!
少しずつ積雪の量が増えてきました。

ハイカーさんはまだ少ないですね、天神尾根から数人が登って来ましたよ。

9:08
トマの耳 1963m
吹きつける風は南風で、それ程寒く無かったです。
曇り空の下に広がる展望をぐるりと見渡します。
いい眺めです!遠くまで良く見えましたよ。
風が強かったのはトマの耳だけで、この後は平穏で主脈の稜線は暖かいくらいでしたね。
時間が読めないので、オキの耳はパスしました。
ほな行こか。

9:18
肩の小屋
目標の俎嵓まないたぐらが良い姿!!
稜線にはほとんど雪が見えません。
9:25
一呼吸入れて、いざ出陣!!

遠望する苗場山は雪が多そうだなぁ。
9:34
中ゴー尾根分岐

心地良い南風に吹かれながら、谷川連峰主脈の稜線を進みます。
秀麗な姿のオジカ沢ノ頭が近づいてきました。

最高でーす!
気持ちいいねー♫

10:08
オジカ沢ノ頭
ヤッホッホー!!
オジカ沢ノ頭からは俎嵓まないたぐらはもう目の前です。
山頂まで刈払いの道が続いているのが見えます。

近年、オジカ沢ノ頭の避難小屋は基礎部のボルトの欠損などが有ったり、小屋の中も汚れていて不衛生だった様です。
ボランティアで避難小屋の修復と清掃をしている
Hさん、Nさんとそのお仲間達には感謝するほかはありませんね、本当にありがとうございます。
気象条件の厳しい山岳地帯に建つ山小屋や避難小屋は我々ハイカーにとって、とても貴重な設備です。
維持管理には大変な苦労が伴いますので、大切に利用していきましょう。

二人でまったり三人では少し窮屈でしょうかね、
中は綺麗で快適です。
まだ雨漏り箇所が有り、現在は修繕中。

今回は山行時間が読めない為にランチタイムを
予定しませんでした。
小休止してコンビニのおにぎりとエナジーゼリーでサクッと済ませます。
「こんにちはー」
おにぎりを頬張っていると単独の男性が挨拶して俎嵓まないたぐらへ向かっていきました。
まだ登る人は少ないと思っていましたが、知ってる人はいるもんですね。
10:30
さてさてリスタートしましょう。

刈払いの道はしっかりした登山道ではないですが、歩くには十分です。
稜線の東側は切れ落ちているので注意しましょう。

日陰には少し雪が残っています。
スリップに気をつけて痩せた稜線を辿ります。

稜線の上からは眼下に谷川本谷を見下ろします。
中ゴー尾根の取り付き点や関越トンネルの通気孔がよく見えました。
山頂まであと少しだよ。
「あれっ!!」
遠目ですが、先程の男性と他にもう一人先客がいるみたいです。
11:09
俎嵓まないたぐら
「お疲れ様です」
「こんにちは」
と、それぞれに挨拶を交わします。
避難小屋の前で会った方はYさんで、その前に山頂にいた方がKさん。
同じ日、同じ時にまだあまり知られていない山の頂に偶然にも三人が立つとは驚きです。

頂きに立てば正に谷川ノ頭といった感じがします。
この山が谷川岳と呼ばれていたのがわかりますね。
曇天の空の下に360度の大展望が広がります。
谷川連峰の山々がまた違った姿に見えて素晴らしい景色ですよ。

先にKさん、そしてYさんも山頂を後にします。
その後はのんびりと一人展望を楽しみました。
今年中に登れて良かったです。
感無量ですね。
11:45
名残惜しいですが、そろそろ下山しないとな。

少し薄日が差してきました。

笹道をオジカ沢ノ頭に登り返します。
暑いー。

12:29
オジカ沢ノ頭
Kさんが休憩中でした。
この後はしばらくの間、談笑しながら稜線のトレイルを肩の小屋に向かいました。

13:07
中ゴー尾根分岐
いつの間にか青空が出て、振り返ると絶景です。

13:29
肩の小屋
小屋の前はハイカーさんで賑やかでした。
長野、新潟方面は良く晴れましたね、
谷川連峰の上空もスッキリと青空となりました。

肩の小屋で一休み。
俎嵓まないたぐらでお会いしたYさんが居て、小屋番のMさんとおしゃべりしてるとKさんも来て話しに盛り上がっちゃいましたね。

14:00
さてさて下山といきますか。

西黒尾根より天神尾根の方が雪が残ってたかなぁ。
踏まれて硬くなり歩きづらかったです。
転ばない様にしないとね。

14:37
熊穴沢避難小屋

14:58
田尻尾根分岐
ここから田尻尾根を下ります。

黄金に染まった田尻尾根は予想外に素晴らしい紅葉でしたね、もう紅葉は終わったと思っていたので最後のご褒美でした。

15:49
田尻尾根入口

田尻尾根は崩落地も無く問題有りませんでした。
下部は昨年の大雨による増水で西黒沢と田尻沢は大きな被害を受けました。
橋が流されているので、増水時には通行困難となるかもしれません。
もうすぐ谷川岳は雪に埋もれてしまいますが、来年の夏山シーズンは雨天時や雨後には注意が必要でしょう。

田尻沢や西黒沢の付近では、熊の目撃例が多いので気をつけましょうね。

16:11
西黒沢橋

16:18
谷川岳インフォメーションセンター
下山後にインフォメーションセンターに立寄ろうと思っていたら16時で閉館でした。
残念、また次の機会に寄ってみましょう。

今回はとても思い出深い山行となりました。
俎嵓まないたぐらの頂きに立てた事は忘れないでしょう。
西黒尾根を登った今回のルートは長くキツいです。
日帰りでも充分可能だと思いますが、ロープウェイを利用して天神平から天神尾根を往復すれば時間も短縮出来て、体力的にも楽でしょう。
いずれのルートを歩くにせよ、良い季節、良い日を選ぶ事が肝心です。
多くのハイカーがこの山を訪れると良いですね。
そして何より避難小屋の修理、清掃や登山道の整備をなさっているHさん、Nさんに感謝します。
いつもご苦労様です、ありがとうございました。
また、山頂でお会いしたYさん、Kさん、
またいつの日かどこかで。

#337《おしまい》

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?