天狗山、高戸谷山に登ろう
早雪は秋焉の知らせ。
2021年10月21日(木)
群馬県…沼田市
まだ10月だというのに群馬県北部の山々は大荒れの空模様です、今回は金精峠から群馬県/栃木県の県境を辿って温泉ヶ岳、根名草山に登る計画でしたが降雪の為に中止しました。
曇りのち晴れの天気予報をそのまま疑わず、少し考えが甘かったです。
金精峠の積雪は数センチでしたが目的の根名草山は山頂標高が約2300メートル以上あり、山行中の状況は峠よりも悪いと想像出来ます。
上空には青空が見えましたが、強風が吹き荒れて気温もかなり下がっていました。
登山靴にも不安があり毛糸のグローブではヤル気が出ませんね。無理は厳禁です!!
〔顛末〕
道の駅『尾瀬かたしな』の駐車場で僅かな仮眠、
深夜から降り出した雨が車の屋根を叩いていた。
目覚ましが鳴るより先に雨の音で起きる。
寝袋の中でグズグズしていると雨が止んだ様で、
静かになった。
ヨロヨロと起きだして曇天を見上げると、東の空が明るかったが予報外の悪天候にガッカリだ。
まだ早朝で車通りの少ない国道120号線を金精峠に向かう、車窓から見える山が白くなっている。
丸沼高原スキー場まで上がって来ると辺りの木々に雪が付き始めて、車の窓を開けるとヒンヤリと冬の匂いがした。
トンネルを抜けて金精峠に到着すると、
駐車場は工事中で半分が閉鎖されていた。
雪に覆われた峠に車は一台も無い。
強風に雪が舞い上がりとても寒かった。
毛糸の手袋を見つめ、もうヤル気は無い…
ヤメておこう。
中止を決めればとっとと来た道を引き返す。
さてさて、どうしようか?
悪天候は県北部の山沿いだけの様だ。
赤城山か?榛名山がいいか?と
考えを巡らし車を走らせる。
途中で車を停めて山のネタ帳を探すと、
帰りの道中にちょうど良い山を見つけた。
🌥曇り時々晴れ 🌀軽風 🕓4h12m
🐾14,552歩 7.0km ⇅620m
♨️白沢高原温泉 望郷の湯 580円
8:00 吹割渓谷市営駐車場⇒天狗山⇒高戸谷山⇒
吹割渓谷遊歩道⇒吹割渓谷市営駐車場 12:12
群馬っ子にはお馴染みの"上毛かるた"⬇︎⬇︎⬇︎
群馬県内の景勝地の中でも人気の吹割の滝には、渓谷を巡る遊歩道が整備されています。
国道沿いには多くの土産物屋さんが建ち並び、
行楽シーズンは観光客で大いに賑わっています。
渓谷の遊歩道から見上げる屏風岩の後山が天狗山と高戸谷山となります。
山塊の最高峰は高戸谷山で、山名は山麓の集落の沼田市利根町高戸谷からきているのでしょう。
南峰の天狗山に△三角点があって、石詞が祀られていました。
以前は登山道が整備されていた様ですが、現在では道無しの薮山となっています。
地元の方々の信仰の山であり、登山の対象として訪れる人は少ないと思います。
吹割渓谷の散策には無料の市営駐車場を起点にすると良いでしょう。
12、3台は停められますが、昼時はいつも満車になっています。
早朝ならば空いていると思いますよ。
8:00
市営駐車場
金精峠から撤退して来た事など忘れて、
気持ちを切り替えてスタートです。
やはりこの辺も昨晩は雨だった様です。
高戸谷の集落の濡れた車道を歩いて行きます。
集落にはたくさんのりんご農園が有り、
🍎林檎が収穫を待っていました。
集落の細道を歩いて行くと天狗山の道標が二ヶ所に有りました。
8:19
天狗山登山道入口
実がたわわの柿の木の近くに登山道入口の道標が立っていますが…道標の指す方に目を向けると、
「え、えっ〜!ここ〜!!」
入口は腰程の高さまで草木に埋もれていました。
道標から少し先に入れそうな所が有りました。
ここから行ってみようかな。
茂みの奥に獣除けのネットが張られています。
フェンスのロープを外して中に入りました。
植林地は沼田市の管轄?この先は市有林かな?
入ったは良いが、はて?道が無い!?
ウロウロと植林地を見渡し道形を見つけました。
細い山道が九十九折りに続いていますが、
作業道らしき道形も錯綜していました。
目印が一つも無いので、道迷いに要注意です。
8:49
天狗山南尾根
30分登って尾根に上がってビックリ!!
道路!?が有りますけど、なんですかねこれ。
何処へ続いているのでしょう?
地形図に道路は有りませんね。
舗装道を少し歩いて尾根へ上がりますが、
取り付きにも目印はありませんでした。
途中、道形を辿って尾根から外れましたが、
よくわからないなぁ?
尾根を直登した方が良い感じでしたけど。
再び尾根に戻りましたが、踏み跡は無いですね、
浮石も多く気をつけて登りましょう。
尾根から振り返ると樹間に水無山、
奥に赤城山が見えました。
尾根が痩せてくると崖寄りや急登の数カ所に補助ロープが張って有りました。
ここまで登って、やっと最初の目印の赤テープを見つけます。(山頂まであと少しだけど)
山頂下は岩尾根を直登して行きます。
9:28
天狗山 △1022.6m
ザックリと標高1000Mって、
昔らしくて良いですね。
山頂から南側に展望が有ります。
片品川を挟んで老神温泉の上には
大楊山、万寿ヶ峰、水無山。
そして赤城山の黒檜山は山頂が雲に覆われて少し白くなっているのが見えました。
天狗山から尾根を辿って先へ進みますが、
踏み跡はほとんど無いです。
歩く人は少ないでしょう。
高戸谷山南峰の立木に1073mの山名板が掛かっていますが多分間違いだと思います…どうかな。
南峰から僅かで最高点の北峰となります。
9:45
高戸谷山北峰 1073m
両ピーク共に木に囲まれていて展望は無いです。
葉が落ちれば少しは眺めを楽しめるかな!?
さてここで下山ルートをどうしようかと、
小休止して考えましょう。
以前に下調べした段階では北峰から西尾根を下って地形図の道形に出れば吹割渓谷まで歩けるかなぁと思っていました。
しかし西尾根の情報も分からず、山頂に目印も有りませんでした。
さてさてどうしたものか!?
来た道を戻るよりは「よしっ」先へ行こうと!!
どうせわからないのならば北面の植林帯の尾根を下ってみるかと決めました。
道形まで降りれば吹割渓谷に近く、
尾根の等高線を見れば何とかなりそうです。
ダメならば登り返せばいいじゃない!
10:00
さぁ行こう!!
植林帯に続く太い尾根を目標にします。
目印も踏み跡もまったく有りませんが、
薮も無く歩き良かったですね。
尾根が二股に別れます。
樹間に見えるP1226を目安にして
ここで右折で良いでしょう。
地図読みは等高線や磁石だけに頼らず
目に見える景色や地図記号の植生なども
判断に使えますね。
一度広い尾根に引き込まれそうになりましたが、
薮も無く北尾根に問題は有りませんでした。
10:29
地形図の道形
山道に降り立ちました。
吹割渓谷に向けて進んでみましょう。
倒木で歩きづらい所も有りますが、
道形はしっかりしています。
水源でしょうか?
音を立てて溢れ出ていました。
下の写真の左上から遊歩道に出ました。
地形図の道形から遊歩道まで
50m程の山道が消されていました。
遊歩道から間違って入り込まない様に
したのだと思います。
つまり遊歩道からこの道形に入るのは
難しいという事です。
今回のルートを逆回りで歩く場合は
GPSを使用し取り付き点を
見極める必要があるでしょう。
10:45
吹割渓谷遊歩道
さっきまで道無しの薮山を歩いて来た
ガチンコハイカーが観光客の中にっ😆
皆さん軽装で一人だけ浮いてますよ🤣
何だか恥ずかしくなっちゃいますね🥴
平日の凡庸な昼下がりです。
観光客に混ざって渓谷を散策しましょう。
11:03
浮島観音堂
遊歩道に架かる橋の上から屏風岩を見上げると、
後に天狗山、写真の右端に高戸谷山が見えます。
吹割の滝は渓谷一番のハイライトですが、立入禁止エリアが広く滝に近づく事は出来ません。
安全の為には仕方ないですね。
パンフレットみたいな映える写真が撮れないなぁ。
⚠️危ないからロープを越えてはいけませんよ。
大人ですからね、大人ですから。
そんなに近寄らないてくださいね。
スクリーム‼️
般若岩など見ながら遊歩道を歩いて行きます。
鱒飛の滝も近づく事は出来ません。
写真は遊歩道の上部から望遠で撮りました。
昭和の趣が残るお土産屋さん、
何十年もそのままの雰囲気です。
11:39
吹割渓谷遊歩道入口
市営駐車場は目の前ですが、
もう少し散策してみましょう。
11:54
第一観瀑台
眼下に吹割の滝が見えますが木が多く、
スッキリとは見えません。
遊歩道に降りてきた時にこの観瀑台まで見に来れば良かったのですがね。
まぁ良いでしょう。
ここで折り返して駐車場に戻りましょう。
雪の金精峠、道無しの薮山、喧騒の観光地と
巡り今回は充実感でいっぱいです。
12:12
市営駐車場
今回は賑やかな景勝地の奥に隠れた
静寂の里山を歩いてきました。
昔はハイカーの姿もあったと思いますが、
今では知る人の少ない薮山になっています。
吹割渓谷から短時間で登る事が出来ますが、
目印も登山道もありませんので、
きちんと下調べした方が良いでしょう。
稜線の東側が吹割渓谷に切れ落ちているので、
崖寄りに注意し、道迷いに気をつけましょう。
薮山好きの方には今回の山行レポートが
参考になるかと思いますが…
個人的にはオススメは出来ませんね。
〈おまけ〉
帰りに道の駅『白沢』に寄って
"望郷の湯"で汗を流しました。
直売所で地場野菜を買って帰りましたよー。
利根、沼田地区にはりんご農家が多く今頃の時期は🍎林檎🍏がとってもオススメです。
秋に群馬県にお越しの際は、是非ともお立ち寄り頂きたくお願い申し上げます。
僕は群馬県の観光大使ではありませんがね🤣
#336《おしまい》
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