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Dark Horse

アカデミア同志の伊藤羊一さんが、帯を書いていたので気になって読んでみました〜!

ダークホース」は「目指すもの」ではない。結果として「ダークホース」となる。大事なのは「大きな情熱」ではなく「小さなモチベーション」

ダークホース的な成功への過程
1.自分の中の「小さなモチベーション」をみつける
2.一般的なリスクは無視して、自分に合った道を選ぶ
3.自分の強みを自覚したうえで、独自の戦略を考え出す
4.「目的地」のことは忘れて、充足感を今抱いているか自問する

自分らしく自分にとっての充足感を目指し、自分の小さなモチベーションを大事にして、自分をリードしていく。自分らしい最高の人生への第一歩で、その先に「ダークホース」的な成功の世界が待っている。

スタンダードな「成功法則」は、教育者や雇用主や親や科学者から「個人の能力を伸ばすうえで、最も信頼できる方式」として大いにもてはやされている。ダークホース達は、渦巻き状の曲線で人生が進んでいくので、誰にでも当てはまる成功法というよりも、面白みのある偶発的な出来事として片付けられてしまっている。

社会が定める成功の定義に含まれるのもは?「富」と「地位」が最も多い回答。回答者の圧倒的多数が「成功を個人的に定義するとしたら、幸福感と達成感が何より重要だ」と断言した。

他人のことについては、金と力が成功の要件だが、自分自身については、個人的な充足感や達成感を成功の要件と見なす。

充足感の追求(the pursuit of fulfillment)」という、何よりも大切な決断こそが、ダークホースを究極的に定義づけるもの

「何かに成功すること」で充足感を得たのではなく、「自分自身にとってかけがえのないことに熱心に取り組むこと」で充足感を得た。

「自分の興味や関心、能力に合わせて環境を選ぶ権利をもっていることに気づく」「個性を生かして、充足感と成功を目指せ

「いくつものある機会(チャンス)のうち、本当の自分自身にぴったりと合うものを選んだこと」「本来の自分であること - 充足感」を求めて努力した。

標準化の目標は、何よりも生産システムの最大効率化であり、この目標を達成するための最も重要なことは、多様性の排除。

標準化の父」アメリカの実業家、フレデリック・テイラー。工場の生産システムについて彼が気づいたのは、機械は高価で重いが、そこで働く人間たちは安価で順応性があるから、機械の周りに労働者を配置するほうが、労働者の周りに機械を据えるよりも効率的。

標準化されたシステムは、「切なる望みを抑えつけ、幸福追求を後回しにせよ。専門性を極めるために、長く険しい道のりを脇目もふらず進むことご先決だ」と要求している。

具体的かつ実行可能な要素は、「個別化の時代」の到来を加速させる21世紀の科学の強固な理念に基づいている。複数の専門分野にまたがる学問、「個性学(the science of individuality)」と呼ばれている科学

充足感を得たいなら、厳密に何が「あなたの帆」に風が吹き込むかを知らなければならない。他の人が考える、あなた向きの原動力ではいけない。「小さなモチベーションを見つける」が、ダークホース的な発想の最重要かつ第一の要素

小さなモチベーションに含まれるのは、微妙な好み、素朴な欲求、そして個人的に抱く願望。「判定ゲーム」の目標は、他者に対する自分の直感的な反応を使って、あなたの心の奥の琴線に迫り、その源まで辿っていくこと。

ダークホースたちにとって、情熱は多次元的で動的なものであり、なおかつ、常に本人の意志で制御されるべきもの

上から下へのトップダウン式のシステムは、あなたにではなく、制度に都合よく作られている。本当の選択権とは、あなた自身の中にある「好きなこと」「小さなモチベーション」が、より多く生かされる機会を見つけて選ぶ権利

戦術を使う人間の個性を考慮に入れずに、どの戦略が最適か判断できるわけがない。ただひとつ、自分にとっての最高戦略だけ。「自分に合った戦略を見つける」こと

ダークホース的な発想において、戦略とは、「うまくなる」方法のこと。どの戦略も、時の経過とともに自分が上達していくのを目指すもの。自分自身の強み(strength)を案内役にして、独学法やトレーニング方法や習得法を探し出すこと。

人の強み」と「やりたいこと」は、基本的にまったく別のもの。自分の「やりたいこと」を直接的に知る、あるいは体験するようにできている。

自分に合った戦略を見つけるプロセスでは、実のところ、ダークホース的な発想を実行に移して初めて、失敗することを想定する必要が生じる。失敗を歓迎する失敗は、スキルを伸ばす過程において、必要不可欠であり決定的な要素

従来の成功戦術とダークホース的な成功戦術の最大の違いは、おそらく目標設定に関すること。ダークホース的な発想の要素は「目的地を忘れろ」

自分自身がどういう人間かを知らないと、そこへ辿り着くことはできない

ダークホースたちは、「目的地」を無視する。しかし「目標」は無視しない。目標は、常に個性から出現する。さらに厳密に言うと、能動的な選択から生まれるもの。目標は、直感的・具体的に達成可能なもの

スタート地点の近くにある斜面をすべて見渡し、最も急な斜面をひとつ見つける。しばらくの間、
その方向に登り続け、それから足を止めて見晴らしの利くようになった地点から周囲を見渡す。この段階で、もっと望ましいルートがないか見極めるため。

ダークホース的なシステムはのもとでは、「効率性」ではなく、「適応性」が組織に義務付けられる。

充足感は、授けられるものではなく、獲得するもの。本物の選択肢を提示されるとき、あなたは自分の人生を本当にコントロールする権利を手にする。

好きなことを見つけ、自分の選択をする。ダークホース的な考え方は、今の時代に生きる我々にとっても必要な考え方のため、どう才能を生かすのか?のヒントが多く書かれているので、とてもおすすめの1冊です。



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