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渋沢栄一とドラッカー

来週から始まる大河ドラマも渋沢栄一で、2024年から新札になる日本資本主義の父と、マネジメントで有名なドラッカーの2人から学びがまとめられている1冊です。ジャケ買いしちゃいました。

時代がどんなに変わろうと、未来創造のためのキーワードは、変化を機会としてとらえよ

ドラッカーは、1.変化をマネジメントする最善の方法は、自ら変化をつくりだすこと。2.未来は明日つくるものではない。今日作るものである。今日の仕事との関係のもとに行う意思決定と、行動によって、今日つくらなければならない。3.明日というものは、平凡な仕事をしている無名の人によって今日つくられるということ。

渋谷栄一の卓見の奥底には、マネージャーを支えるのは、財力でも地位でもなく責任であるという考え方、現実の成り行きを見通すもの。

未来創造という観点で二人を眺めると、まず浮かびあがってくるのは、高く広い視点で時代が要請するものを見極めていた。

ドラッカーの心の根底にあるのは、人間の幸せ。ドラッカーは人間はどうすれば幸せになるか。特に、仕事を通して人間はどうすれば幸せになるか。を考え続けた人。

ユニクロやニトリの成功の本質は、アパレル業界や家具業界に他の産業で行われていた製造小売という新しい事業スタイルを持ち込んだこと。

渋沢栄一は、論語と算盤の中で、一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだ。

利益へのこだわり、渋沢栄一は、武士のような精神ばかりに偏って商才がなければ、経済の上からも自滅を招くようになる。ドラッカーは、経済的な業績こそ、企業の第一の責任。企業の第一の責任は存続すること。企業の永続こそ、マネジメントにとって決定的な評価基準である。

ドラッカーは、eコマースは経済、市場、産業構造を根底から変える。製品、サービス、流通、消費者、消費行動、労働市場を変える。さらには我々の社会、政治、世界観、そして我々自身にインパクトを与えると言う。

世界で最初に書かれた経済戦略書がドラッカーの創造する経営者。この本に書かれている重要なポイントが、顧客が事業である。ということと知識が事業である。ということ。

知識労働者の生産性を上げるには、1.知識労働自体の生産性をいかに上げるかという視点。2.知識労働者にいかに活き活きと働いてもらうかという視点。

産業構造に関する変化の一例。あらゆる技術がそれぞれの産業に属し、逆にあらゆる産業がそれぞれに特有の技術をもつとされた。産業と技術に関するパラダイムの変化。

未来において何かを起こさせるということは、新しい事業をつくり出すこと。未来において何かを起こすということは、新しい経済、新しい技術、新しい社会について、アイデアを事業の中で実現するということ。大きなアイデアは必要ない。

スティーブ・ジョブズはマーケティングという言葉を嫌い、顧客が望むものを提供しろという人がいる。だが、私の考えは違う。顧客が今後、何を望むようになるか、それを顧客本人より早くつかむのが我々の仕事なんだ。

アイデアは、イノベーションの種としては最もリスクが大きく、成功する確率が最も低い。悲惨な失敗に終わることも極めて多い。成功したイノベーションのほとんどは、極めて平凡である。それらは、変化を利用したにすぎない。

ドラッカーは、GEにワクワクドキドキしてやってる事業以外はすべて止めてはどうかと提案。ワクワクしながら意気込みを持ってやっているような仕事でなければ、お客に対して失礼だ。

ドラッカーは、最初から完成の域に近いというようなイノベーションは稀である。必ず変更が必要になる。そのとき、小規模にスタートしていれば、調整のための人や金もあまりかからないで済む。

知りながら害をなすな。プロたるものは、医者、弁護士、マネージャーのいずれかであろうと、顧客に対して、必ず良い結果をもたらすと約束することはできない。最善を尽くすことしかできない。

人間は不完全で儚い、哀れな存在でしかない。しかし、理想に向かって誇り高く生きていくことはできる。そういう生き方への、責任を伴う選択こそが自由ということ。人がどういう生き方を選択するかは、その人の心の中に答えがある。

渋沢栄一とドラッカーから、未来創造のヒントがたくさん書かれている1冊です。二人のフィロソフィーが知れるので、とても参考になりオススメの1冊です。


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