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ストックセールス

アカデミア同志の権田さんがお勧めしていたので、気になって読んでみました。あとがきは、権田さんが書いてたので、ビックリでした〜

効果実証済みの、4つの営業シーン
1.取引継続・更新を促すとき
2.値上げを働きかけるとき
3.取引拡大を提案するとき(=アップセル)
4.謝罪するとき

上記の営業シーンに効果があげられる。

文脈効果
刺激に対する受け止め方は、環境要因の影響を受けること。既存顧客の心理と見込み顧客の心理とは180度違う。

現状維持バイアスを引き起こす4つの原因(きっかけ)
1.安定を優先する傾向
2.変化に伴うコストへの懸念
3.選択の難しさ
4.後悔や非難への恐れ

現状維持バイアスを打ち抜く
1.相手が好ましく感じている現状を揺さぶる
2.現状維持にもコストがかかると示す
3.いまのやり方とは対照的な選択肢を紹介する
4.導入前後でどう変わるか、成功例を紹介する

400社以上のB2B企業を対象にした結果、80%の企業が営業・マーケティング予算の70%以上を新規営業案件を創出するたのめ宣伝(デマンド・ジェネレーション)、コンテンツ・マーケティング、営業活動の改善(セールス・イネーブルメント)、新たな顧客を獲得するためのマネジメントに費やしている。

顧客は目標を達成してなくても、目標に向けて前進していると聞くだけで、顧客は現状のままでいこうと思いやすくなる。

アンカリング効果
人間は最初に受け取った情報を基準(アンカー)にして物事を考える傾向があり、こうした認知バイアスはアンカリング効果と呼ばれる。不確かなことを判断しなければならないとき、人間は最初に提示された情報を基準にし、それに基づいて価値を評価する。

値上げの伝達のなかでもっとも高評価だった方法には、2つの要素が盛り込まれている。
1.顧客の現状維持バイアスを強化しながらも、顧客のビジネス目標に合わせて、他社にひけをとらないレベルで進化していると説明していること。
2.アンカリング効果をねらって高い値段を提示したあとに、割引を提示して相手が確実に更新するようにしていること。

関係性を強調して感情に訴える「ハイブリッド型」周囲からプレッシャーを強調する。世の中と同様、ビジネスニーズは変わるし、技術も進化する。社外では、個別のソリューションや迅速な対応を求める顧客基盤に対応しなければならない。社内では、最新のツールやより柔軟な働き方など、従業員から求められるものも変わる。ハイブリッド型のメッセージはここから始まる。

人間は利益を得るためよりも、損失を回避するための方が変化を起こす可能性が2、3倍高くなる。利点を列挙するのではなく、顧客が直面するリスクを率直に説明する。

サービス・リカバリー・パラドックス(SRP)
顧客は、問題が一切起きなかったときよりも、あなたが問題をきちんと解決したときの方が、あなたを高く評価する傾向がある。

たとえ不具合が自分のせいでなくても、顧客は自分の責任を転嫁して言い訳をするのを聞きたくない。自分が全責任を負うものと思い、プロとして厳しく問題解決にあたると期待する。

一番評判が良かった謝罪文
1.対処を申し出る。2倍にあたる1ヶ月分の費用を返金する。特別処置として賠償します。初めに熱を覚ますため、対処を申し出る。最後に心からのお詫びの気持ちを伝える。

重要なのは、顧客にどれほど売り込みたいかではなく、顧客に何をして欲しいか。顧客のやり方が変わる場合は、発展を促す領域に足を踏み入れている。

・同じ人たちに同じものを売り込む = 現状維持を促すメッセージモデル
・同じ人たちに新しいものを売り込む = 発展を促すメッセージモデル
・新規の人たちに新しいものを売り込む = 変化を促すメッセージモデル

実績報告3つの指標
1.企業レベル
経営陣へプレゼンや株主向けレターなど、最上位の業績評価にどうら貢献できるか。収益やキャッシュフロー改善
2.事業部レベル
事情の創出や事業部全体の業務変革に貢献できるか。生産性、入札勝率など
3.プロジェクトレベル
プロジェクトを期間内かつ予算内に終わらせるか。営業部門やカスタマー・サクセス部が得意分野とする指標を使う

画像優位性効果
メッセージの覚えやすさを6倍アップさせる原理は、メッセージを記憶する時間の長さも6倍にできる。言葉と画像を結びつけると、ストーリーが覚えやすくなる

損失と利益を対比させることが効果的。
現状維持を促すイラストは、1.これまでの経緯、2.成功を妨げる可能性のある要因、3.方針を堅持するメリット。 
発展を促すイラストは、1.進捗、2.変化、3.現実、4.勝機

御社」を用いる。ビジネスの拡大を持ちかけるとき顧客の視点から課題やソリューションを説明する。弊社でなく御社や御社の実績に変える。

変化にはリスクが伴うと注意する
1.リスクに言及しても、力説しない
2.リスクに「言及する」より「説明する」きちんと伝える。

人は得することよりも、損失を回避することの方を2倍以上重視すると証明した。「レギュラー」を変えたら、顧客がどんな損失を被る可能性があるかに重点を置いて話す。

現状維持を促す会話では、技術革新を他社と差別化させる必要はない。比較する必要なく、ソリューションは進化していて、顧客には変化を起こす理由などないことを示すだけでいい。

マーケットシェアでトップ3に名を連ねる企業が収益性においてもトップ3に入っている確率は、1955年には35%だったのに対して、2013年にはわずか7%にまで下がっている。市場が成熟期に入るとカスタマーシェアが重要指標へと変わっていく。

顧客アンケート取得によるステータス管理が最も効果的に狙った効果が得られる方法論。約75%の企業が定期、もしくは非定期でCSアンケートを実施している。

現状維持バイアスをうまく使って、メッセージを伝えることが大切と、営業のメッセージノウハウがとても参考になり、メッセージケースなどが役に立つ、おすすめの1冊です。



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