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生きづらさ

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#弁護士

そんなに怒ってるなら早く言ってよ。

「訴訟大国アメリカ」と良く言われます。実際の訴訟件数までは調べてはいませんが、感覚として「確かに多いな」との印象はあります。訴訟の中でも横綱クラスかつ「やっかい」(訴えられる側にとって)な集団訴訟 (Class Action)の一例として、最近話題になった「アイス・ゲート」(Ice-gate)(*)について書きたいと思います。おなじみスタバを相手とった集団訴訟なので、対象となる方は少なくないでしょう。 (*)(こいつもか!という感じのスクープ・スキャンダル系の話は「なんとか

雇用契約の終わり方

人を雇うと、雇用主と労働者との間に雇用契約というものが成立します。実際に契約書が作られるかどうかにかかわらず、これは一種の契約が存在することを意味します。 契約というものは、お互いが合意しないと成立することはありません。一方的に誰かとの契約を成立させることはできないのです。しかし、契約が終わる時は、一方的に終わらせることもあります。 雇用契約の終わり方は、簡単に整理すると3パターンあります。 ① 労働者が「退職届」を出して終わる ② 労働者が「退職願」を出し雇用主がそれを

就業規則と給与

雇用契約は契約です。 契約である以上、一度決めた内容は勝手に変えられないのが原則です。契約は合意により成立するのと同様、変更も合意によるのが原則となります。 給料その他の雇用条件はまさに雇用契約の内容なので、雇用主が労働者の同意なしに変更することは、本来の契約の考え方からすればできないはずです。 しかし、雇用主は「就業規則」というものを作成することができます(労働者が常時10人以上になると作成義務になります。)。 就業規則は、労働条件を一方的に定めるもので、学校の校則のよう