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野原ひろしになれなかった就職氷河期世代


漫画アクションで『クレヨンしんちゃん』の連載が開始されたのが1990年です。 私も単行本買って読んでいました。

私たち就職氷河期世代は、
「一流の大学を出て上場企業に入社できれば安泰」という価値観の中で
育ってきており、過酷な受験競争を経験してきた世代と言えるでしょう。

『クレヨンしんちゃん』の連載が開始された当初、
その価値観は当たり前のように社会で共有されていましたし、
野原ひろしは高卒ではありますが、その正解例としてのモデルでした。

つまり、【どこにでもいる普通のサラリーマン】
これが野原ひろしに付与されたイメージです。

私たち氷河期世代は大学を出て就職したら、
結婚して、子供を育てて、家を買って、車を持ってというビジョンを描いてきた訳ですが、

バブル崩壊、そして平成不況によって、
そんなものは跡形もなく消し飛びます。

そもそも正社員として就職すらできない


ここで私も躓いてしまいました。

そして新卒という看板がなくなってしまうと、
その後のリカバリーは相当困難なものとなります。

私はリカバリーできませんでした。

新卒一括採用のこうした弊害は未だに続いてますよね。 本当愚かというしかない。


さて、こうして社会からあぶれてしまい、何の救済もされなかった結果、
貧富の格差が生まれ、何百万人という負け組の人たちはどんどん貧乏になっていきました。

かつては「普通の象徴」であった野原ひろしは今では完全な勝ち組と言われるでしょう。

それだけ日本が貧しくなっていったということです。

就職氷河期世代ももう40を超え、すっかり中年です。
絶望感を抱え、ギリギリを生きている人も多いでしょう。

絶望感や喪失感を狂気に変え、
武器を手にしたのが、所謂『無敵の人』です。

私はペンを手にしましたが、彼らとの違いなんてほとんどありません。
テロリズムの肯定はしませんが、「国が憎い」と言われたら、
なんて答えたらいいのか言葉が見つかりませんね。


余談ではありますが、『劇場版クレヨンしんちゃん』には非常に名作が多いです。
私が特におススメするのは、
『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』
『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』

この二作は催涙映画とも言われており、非常に高い評価を受けています。
はっきり断言します。

ガチ中のガチです。




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