無敵化が懸念される就職氷河期世代（松宅AFTER　第3話『クズキング』）

さすがにタバコ代や携帯代などは
幾ばくかの貯金を切り崩して払っていましたが、
いい歳して実家暮らしで、
ろくに家にお金も入れず親のすねをかじっている自分に
侮蔑感や嫌悪感を抱かれた方は多いと思います。

こうなってしまったのも自業自得ですし、自己責任と言われても反論する余地もございません。
両親には心の中で1万回以上は謝っています。「本当に申し訳ない」

ただ、自分と似たような境遇の人があまりに多過ぎるのが
社会的に非常に大きな問題だと思います。
2019年の内閣府の発表では、40〜64歳の引きこもりシニアは60万人を超えていました。

皆が皆怠け者という訳ではないと思います。
働きたいけどろくに経験や実績がないからと
諦めて絶望している人もいるでしょう。
それならバイトでというのもかなり厳しいです。
採用する側からすれば、
年上の部下ってだけでマイナスポイントでしょうし、
なにより40歳を過ぎてろくに社会経験がない人と一緒に働きたいなんて
普通は思わないでしょう。
下手をしたら、いや、下手をしなくても犯罪者予備軍扱いです。

そうした状況下で、
不安・恐怖・絶望を哀の感情に変えて自傷、あるいは自ら命を絶ってしまう人もいるでしょう。
不安・恐怖・絶望を怒の感情に変えて誰かを恨み事件を起こしてしまう人もいるでしょう。

所謂無敵の人化している人たちと自分との違いなんてほとんどありません。
彼らは武器を手にしました。自分はペンを手にしました。
でももうギリギリのところにいるのは共通しているんですよね。
辛いです。苦しいです。でも届けたい思いがあるんです。
大袈裟かもしれませんが、命がけで描いています。